第4話 人類に立ちふさがるラスボスの持論



 犠牲が降り積もって

 死体が降り積もって

 死が降り積もって

 悲しみが降り積もって

 罪が降り積もって


 そうしてできたのが人の歴史だというのなら

 そんなの失くしてしまえばいいじゃないか


 何度も争い 戦い続ける

 誰かと誰かが 拳を振り上げ

 凶器を手にして 狂気を振りかざす


 そうしてできあがったのが人の歴史だというのなら

 そんなもの壊してしまえばいいじゃないか


 どうせこの先も 似たような事が起こり続けるのだから

 むやみやたらに過ちを重ねないうちに終わらせてあげるのが

 慈悲ってものだ


 破壊をまき散らし

 生き物を血と肉に還していく

 悲劇と悲嘆を量産し

 不幸と絶望を生み出していく

 復讐者を返り討ちにし

 勇者と救世主を葬りさる


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る