第47話「再会 ~戸惑い~」
道には、殺された沢山の人間の屍がある。
それらを見ながら歩いてく。
雷雲の元へたどり着いた。
そこは異様な雰囲気だった。
人間は…
生きている…
だが皆が戸惑い、
その場を離れられない状況。
「お、おいどうなっているんだ…」
「何でウィル様と救世主様が戦っているんだ?」
「ば、ばか、
ウィルは国王の座を奪われた、復讐に来たんだよ」
雷雲が轟き、民衆に落ちた。
人間は大量に死んだ…
かと思えば、斬撃のようなものが飛んできて、
民衆たちを守る。
「ひ、ひぃオーガ…」
俺が近づいていくと、民衆たちは道を空けた。
奥にいたのは三人。
ウィルと向かい合うように、
鎧の兵士、キンジュが居た。
キンジュは俺らに気付くと、
「こんな時に…」
と苦言を漏らした。
ウィルは、こちらを見ようともしない。
やはり鎧の兵士とキンジュは繋がっていた。
何故、俺らを襲ったのか…?
いや、テンを…
ここまで来たは良いが、どうする…?
鎧の兵士を倒してから、ウィルを説得する?
いや、そんなことしたら、
この場の人間を敵に回すことになる。
それに、ウィルをフリーにさせては駄目だ…
出方に困っていたら、
「あいつは任せて オーグンはウィルを」
そういうと、テンは歩みを進めた。
「お、おいテン!」
「死にたくなかったら、とっとと散りなさい!」
「う、ウィンディ…様?」
「失せなさい!」
ウィンディの喝が飛ぶと、
周りを囲っていた人間は、散り散りにはけていった。
「あの女は私がやるわ」
「ウィンディ…?」
「あら…あなた、私の相手をするのですか…?
役不足だと思うのだけれども?」
鎧の兵士が、テンを突然襲ってきた。
テンは今まで見たこともない、大きな獣の姿。
狐の姿になると、鎧の兵士の攻撃を受け止めた。
「テン…」
「オーグン!
こいつはおいらがやらないといけないんだ!
何があっても…
だからウィルは頼んだよ!」
鎧の兵士はテンを、掌底で吹き飛ばすと、
テンしか見えていないかのように、追撃を図る。
テンはすぐ立ち上がり、
場所を変えるため、走り出した。
「オーグン…僕たちも場所を変えようか…」
「…ああ…」
相変わらず、ウィルは俺の方を向かない。
ムーが俺に触れると、
初めて、俺らが本音で言葉を交わした場所…
真剣勝負で戦いあった場所に、瞬間移動した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます