最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい【完結】

@aidanomo

第1話  「許されざる訪問」

俺の名はオーグン


最強種族の一種と言われているオーガ族の族長(といっても強いってだけで普段は外で好き勝手生きている)


そしてここは人間の国オルミナ王国


王都ウィンザード


何しに来ているかって?


もちろん……


人間の女の子と仲良くなりたくて遊びに来たんだ!!!


だが、それをこいつは許さない。


(不吉な)一つ目の妖精を連れた人間の王子、ウィルヘルム


顔は王子に似合った、かなり整った顔をしているくせに


小汚ない自然派のような服装をしてる。


俺は生まれてから500年(魔族の寿命は1000年程)


負けたことは一切無い


倒しきれない奴は片手で数えきれる程だが


この若造はその一人だ


「お、お、お、お、オーグン!!


この国から立ち去れ!!」


城壁の前にずらっと並んだ兵士の中の一人が声を震わせながら叫ぶ



なぜ俺がここまで嫌われ恐れられるのか。


・強すぎるから?


それは否めない


しかし、それを言ったらこの目の前にいる


いけ好かない王子も恐れられるだろう。


・見た目が怖いから?


確かに、俺の見た目は人間の冒険者が俺の顔を見ただけで気絶する程怖いらしい


いや、分かっている。


この世界には鉄の掟がある。



【他種族交流の禁止】



それを俺は今も破り続けているからだ。


ある者は他種族と交わる事で病原体に犯されるといい


ある者は世界の崩壊を招くと恐れている


たとえ、世界をまたにかけるような冒険者でも魔族の生活圏に入るものはいない。


逆もまたしかりである。


なぜ、俺が禁忌を破り続けるのか…


いる


いる


いるいるいるいる


人間の女の子がたくさん!



人間の女の子は可愛いんだぁ!!!



「うぉおおおおおお」


いちもつをおったてながら突進してくるオーグン


女の子の冒険者達はこの世の終わりのような顔をしている。


ウィルヘルムは手を前にかざすと目の前に魔法の盾が現れ


突進を止める


いつも俺の攻撃を簡単に止めてくる


こいつはどこへいってもモテて強くて


何不自由なく過ごしているんだろう…


追突の衝撃で地面が揺れる


オーグンとウィルヘルム以外は立つことすら出来ない。


「ウィルヘルム!!いつも邪魔をしやがって」


世の中理不尽だ


ただ俺は女の子と仲良くしたいだけなのに…


それが許されない


「僕も普段は王子とか関係なく好き勝手生きているが


君のような国に脅威をもたらす者は放っておけない」



まさに王子を絵に描いたようなやつだ


ウィルヘルムが空いている手で氷のつららを作り目に突き刺そうとしてくる


俺はとっさに頭付きでつららを砕いた


ここでお互い距離をとると


ウィルヘルムは冷静に


「ここじゃお互い思い切り戦えないだろう?場所を変えて今日こそ決着をつけよう」


広い荒野に移動魔法で連れてかれた



普通なら罠を警戒するんだが


何度も顔合わせてればわかる


こいつはそんなことをしない


女の子と仲良くなりたいのは夢だが


こいつと本気で戦ってどっちが強いのかも興味がある


まあ、それに、こいつを倒せば人間で俺を止めてくるやつはいないだろう


これはやらねばならぬ


俺は腰にかけてあった鬼の棍棒を取り出しウィルヘルムに殴りかかる


ウィルヘルムは紙一重でかわし俺の懐に入り込むとオーグンの鳩尾に凝縮した火焔魔法を撃ち込む


俺は数十メートル吹っ飛ばされるも内部までは浸透していない


俺の力はウィルヘルムの回避能力に通用せず、ウィルヘルムの多彩な魔法は俺の身体

に致命傷を与えられない


故に二人の戦いはいつも引き分けになってしまう


本気で戦ってもそれは変わらなかった……


はぁ……はぁ……


「オーグン…はぁ…いい加減僕らの国を襲うのはやめてくれないか……」


俺はいつもこの男に止められる


この男がいる限り俺は夢を叶えられない…


「うおぉぉぉ!


なんで…


なんでなんだ!!


俺はただ人間の女の子と話して、飯くって、笑いあったりしたいだけなのに


なんでお前はいつも俺の前に立ちふさがるんだ!!」


正義を振りかざすこいつに


怒りと悲しみがこみ上げ感情があふれでてしまった


いきなり泣きながら喚きだすオーグンをポカンと見つめているウィルヘルム


「なんなんだ……


他種族で交流してはいけないとか


誰がそんなこと決めたんだぁー!!


うぉおおおおおお!!」


「ちょっと待って……


オーグン…君は人を襲ったり拐ったりしに来てるんじゃないのかい?」


「誰がそんなことするんだ!


俺は世界の女の子の味方だ!


ただ、仲良くなりたいだけなんだよぉ……」


「え、え、


だって伝承では…




それに君は…その…ち○こを立てながら襲って来て……」


「それは生理現象で普通の事だろうが!


女の子見るだけで反応しちゃうんだ!


普通の反応だろ!?!?」


「え、まさかオーグン……童貞なの?」


「な、な、な、当たり前だろ!!



生涯パートナーは一人だろうが!!」


顔をうずめるウィルヘルム



「くっ…… くっ……くっ……

はっはははは!!」



いきなり笑いだすウィルヘルムにムッとする


「てめぇ何がおかしい!」


「いや、だって…


君って500歳…


500歳で童貞でち○こおったてて人間の国にくるなんて


はっはははは


しかも、ただ女の子と仲良くなりたいなんて


子供かよ…


はっはははははは


はぁ…


ボソッ…何が魔族に近づくなだよ…」


「ん?」


「いや、なんでもない


僕はウィルヘルム、ウィルってよんで



こうしてウィルとの友情が始まるのであった。


男じゃねぇか‼‼

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