Capítulo1 fruta venenosa
「後どのくらいだ?」
「6の鐘が鳴る時よ。
先の廊下が王室の間で、謁見者を待っているわ。
今日の接待はあなたで終わりだから」
「あえて最後にもっていったわけだな。
後ろ押しない方が、私も気兼ねがなくて済む」
「なんだか、あなたを順番の最後に回した様な気もする。
それはそうと・・・どう、この国の印象は?」
「外見は悪くない、設備も整っている。
オブジェも造形に凝って一様に見どころがある。
デザイン的にも柔和なイメージととらえたが、
この国の親善大使とは――?」
「女性、あなたは2人の大使の面倒を診てもらうわ」
「そうか、男の自分が身体を看護するのが
遠慮されないかどうか心配だ」
「それは大丈夫だと思う。
前任者は全て女性だったけど、あなたの事を話すと
おおらかに好意を示してくれた。男でも理解してくれる。
とても優しい人達だから。
ただ、その人達は・・・」
「何?」
「会えば分かるわ、一見は誰がみても同じ印象だけど
変わり者のあなたにしか理解できないと思うから」
「今日からあなた方の主治医を務めるために
配属されました、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。
大使という立場でも、お気を付かわずに。
「はい、では早速ですがカルテ確認で健康診断を行います。
私は男ですが、本当によろしいのですか?」
「ええ」
「心拍数を測るために聴診器を使用いたします。
あの・・・お言葉ですが、大変仲がよろしいのは
理解できます。その、1人ずつ診察を行いたく」
「ふふっ、そう思いですよね。
いつも仲が良いように寄り添っていると思われですが。
私達、これ以上離れることができないんです」
「と、いいますと?」
「実は私達、2人で1人の体。
胴体部が繋がったミラーツインなのです」
「これらは何の文献だ?」
「歴史書だって。
日記や小説も混ざってるけど、この国にあった
話が色々書いてあるから寝る前とか読んでみて」
「しかし、私は研究する時間が――」
「惜しいのは分かるけど、雑学も大事よ。
理学だけでなく、実学で得られる時もあるから
大使と少しでも話が合うよう見ておきなさい」
「そ、そうか・・・では、少しずつ読んでみるとする。
これは読者のクレームの話か」
――――――――――――――――――――――――――
「ちょっとあんた、先週の第49話の内容何?
何の前触れもなく起きちゃって。
最初のフラグを活かしきれてないじゃない!」
「「申し訳ございません、担当の者を――」」
「呼ばなくていーから。
今言った事を作者に伝えておきなさい!」
「今日の作品読んだんだけど、設定がイマイチよ。
気合い入れ直すだけで強敵をすんなりと倒すって
何考えてんの?」
「「作品のクオリティにつきましては、作者と――」」
「そのクオリティでゴーサイン出してるのは
あんたらでしょ?
こういったのは3種類以上の要素を構成して
敵と味方を交互に
もっとキッチリ練り込みさせなさい!」
「作者いる?
彼氏役の男がなんでタコ飼ってんのよ!?
ありきやめようと意外性狙ってんの!?」
「「作者には作者の思想というものがあります。
一場面において日常から離れた表現の描写を
あえて
「もう
マンチニールってやるわ!
あーもう、注文したメロン牛乳ないじゃない!」
「後、電話してないのは・・・この作者。
内容はまあまあだけど、執筆が遅いし。
否は少ないけどとりあえず連絡入れとくか。
んん、家のチャイムが?」
こんな時間に誰――ガッ!?」
「ったく、毎回毎回やかましく文句言いやがって・・・。
一作者の俺が牛乳配達やってるのは読めなかったな。
意外性いがいせいってよ。
これは
お前が散々送りつけてきた毒リンゴを
まとめて
口で
毒は溜まるから毒なんだよ。
ありがたく受け取りな!」
――――――――――――――――――――――――――
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