うちのパーティー、全員ヒーラー 設定メモ集

白蛇五十五

1:魔術の歴史と属性について

【魔術の歴史について】


 ややこしくなるので、本編内では時代を問わず『魔術』という表記で統一していますが、古代において『魔術』は『魔法』と呼ばれていました。

 『精霊の力を借りて人為的に引き起こす奇跡全般』が、学術的に体系化されず、技術としても確立されていなかった頃の名称です。

 この時代、『魔法』を使えるのは、偶然に魔力行使能力を発現させた人か、秘密の口伝によって教わった呪文を知る、選ばれた僅かな人に限られていました。


 どういう訳か、魔法使いの力を偶然発現するのは、かつては女性の方が多かったと言われています。言語能力が早熟なためだとか、筋肉量の不足を本能的に補おうとするためだとか、諸説ありますが、原因は分かっていません。

 歴史上最初期の魔法使いの多くは女性で、 witch という単語は、通常『魔女』を意味しました。現代にも女系を基本としている魔術士の一族が、いくつか残っています。


 時代が下るにつれて、魔法の仕組みが解明され、呪文開発や訓練の方法が広く知られるようになると、『魔法』は『魔術』と呼ばれるようになり、軍の部隊が編成され、その行使者に男性の割合も増えていきました。


 現在、シルヴァミストの魔術士・魔術師総数の男女比率は、男性4割、女性6割と推定されます。

 ただし冒険者に限ると、比率は5:5、もしくは6:4に近いとも言われています。冒険者はそもそも、女性に人気の職業とは言い難いようです。



【属性について】


 魔術には加護属性が必ず付与されます。

 属性は地・水・火・風・光・闇の六種類がありますが、それぞれの属性は更に、何に特化しているかで細分化出来ます。

 以下、主な特化を紹介します。()内は本編でその特性の魔術を使う主なキャラクター名です。


◇地属性

 →草木そうもく特化(マディ)

 →鉱物特化(ハオマ、エドワーズ)


◇水属性

 →静水せいすい特化(シェーナ)

 →海洋特化

 →冷却特化(ホウゲツ、レイディロウ城主夫人)


◇火属性

 →火炎特化(ヒュー、アルフォンス)

 →加熱特化(エイダン、ラメシュ、カリドゥス)

 →雷電特化(テレンスの魔道具)


◇風属性

 →疾風しっぷう特化

 →疾病しっぺい特化

 →響振きょうしん特化(コヨイ)


 光・闇属性は、使用者が少なく、特化の有無が判明していません。


 同属性内の初歩的な魔術であれば、特性にかかわらず使用出来る場合があります。例えば、本編でシェーナの使った治癒術『止血ヘモスタシス』は、水属性の治癒術士であれば大体の人が使えるものです。


 ちなみに『水属性・海洋特化』は、海水の近い場所でないと魔術が発動しないという大変不便な特性ですが、正規軍海洋部門(いわゆる海軍)では歓迎され、士官学校には海洋特化魔術士専門の育成科があったりします。


 『風属性・響振特化』とは、音を操る魔術と、体の動きや精神状態を操る魔術をまとめて呼んだものです。


 加護属性は遺伝するケースが多く、両親がどちらも火属性だった場合、生まれる子供も火属性を受け継ぐ確率は約七割、と主張する論文もあります。

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