悪魔

赤いハイヒールを履いた女は、男の視線が気になっていた。普通の男の視線とはまた違う。男の執拗な行動がだんだんエスカートしてきている。「何かを狙っている眼差しだわ。気をつけて行動しないといけない」女は、恐怖心が徐々に芽生えてきていた。「誰かに助けを求めるべきか?単なる気にしすぎなのか分からない」

女は後者の考えだった。誰かに見られているのは初めてのことだった。「誰か私を見ているような視線を感じるわ。気持ち悪い!」女の名前は樋口雅美と言う。樋口は、大手一流商社の事務員だ。大学を卒業後、入社してまだ2か月になる。樋口は、男運がない女だ。今まで男に金を貢いでいた過去がある。男にとっては樋口の男運のなさをどこで知ったのか気にはなっていた。「いつ頃からかな。何とかしないといけないわ。私の何が悪いのかしら」

樋口は、自分の方から声を掛ける方だ。自分より年上が好きなタイプである。今まで付き合っていた人数はそれほど多くない。

「私って本当男運悪いからな。変なことに巻き込まれないようにしなきゃ。こんなことばかりが人生じゃない。楽しく生きなくちゃ。ポジティブにならないと。男に騙される顔かな。私って」

樋口は、容姿だけで男について行く方ではない。自分なりに考え、そして騙されるのだ。

樋口は男にとことん騙されてきた。飽きて捨てられると言うケースが大半を占めている。樋口は恋愛について結婚したい人としか付き合わない。樋口は恋愛についてそう言う考えを持っていた。樋口は男の心を引くと言う能力に長けていた。男達は熱い視線を樋口に向けていた。

「良い女」

樋口は何も気にしていない。樋口に振り向かない男なんて居ない。樋口は自分から声をかけることはしない。男の方から声をかけると言うこだわりがあった。樋口は告白したことが1回だけある。忘れもしない中学生の頃だった。それは恋愛にはならなかった。桜庭は樋口を振った。桜庭は女は面倒な人物だと考えていた。桜庭は樋口に対して嫉妬していた。「樋口のどこがいいのか?」

桜庭は男心がわからなかった。桜庭は「樋口が変なことにならないかどうか神様お願いします。」と天に祈った。その祈りは果たして聞いてくれるのだろうか。樋口は男を虜にする女であることは間違いなくその時からあったのだ。桜庭は樋口にいつもテストで負けていた。桜庭は樋口に対して何でいつもテスト中負けるんだ、と後悔していた。樋口に対しては競争心しかなかった。樋口は初めて振られた。

「何で!私のどこがいけないわけ」

樋口は桜庭から話を聞きたかったが桜庭は樋口を避けていくようになった。桜庭はあまり人の心配はしない。だが、桜庭は樋口のことは何かの間違いだろうと思っていた。桜庭は女よりもとにかく勉強が大事だと考えていた。桜庭は桜庭の家庭よりも裕福な樋口の家庭が羨ましかった。桜庭は樋口の悪いことは言わない。樋口は男に重宝された。男には重宝されていた樋口は女友達も多かった。樋口のことを悪く言う者は居ない。彼女にとって理解してくれる人物たちが多いことは心の励みになった。樋口は桜庭に振られたことは後悔していない。樋口は男に媚びを売るような女ではない。樋口は男を引き寄せるような女だった。男運は樋口はあまり良くなかった。だが、それなりの男と付き合ってきた。樋口は男に媚びを売る気は毛頭にない。樋口は男に当てはまらない者を男扱いしない。その同時男と言う者に対して条件があった。

「笑わせてくれる人。いつも笑顔が溢れている人がいいな」

女は金には困らない。大抵の男は金持ちだった。女には男を見るたび考えていた。

「男って単純ななんてわかりやすい生き物何だろう」

女にとって男から求められるものだと考えていた。

「男はいくらでもいる。私には他の女にはないものがある。」

女は得意げになっていた。女はまた男を探していた。

「男は私の欲望を満たしてくれる。それが一番だ。それ以上は求めない」

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