それを知る時

蓬太郎

第1話

突然ですが私の友人、高橋紗倉さくらはモテるんです。それも人並み以上に。

「あ、紗倉〜!この後授業一緒だったよね、ちょっとまってて一緒に行きたい!」

「紗倉ちゃん…今日も可愛いね♡♡」

「ねぇ今日の放課後空いてたりする?晩御飯とか一緒にどう…?」

と、こんな具合に

あと……モテは女性に限定で。

上から同級生、先輩、准教授性別は限定されても年齢は問わずと言った具合で毎日ひっきりなしに色んな女性に声をかけられています。

ほら……今日だってあんなに囲まれて……


なんで女性にモテるのかといえば、まず第1に顔がいいんです。ふんわりと伸びたミルクティ色のセミロングをハーフアップに上品に結んで、女性らしく可愛い顔はニコリと笑うだけでまるで周りに花が咲いたよう。


加えて何よりも女性への気遣い……それの細やかさと言ったらそこら辺の男らのものとは逆立ちしても、振り回しても敵わないほど。


「寒くない大丈夫?この上着良かったら使って」

「味好みじゃなかった?私のと交換しよっか、大丈夫言ってなかったけど私その味好きだからさ」


こんなものは彼女にとって日常茶飯事であり計算で考えてやってる訳ではなくて身に染み付いるもうほぼ脊髄反射のようなものなんです。


ーではにっこりと微笑むその顔だけで万人を虜にできると言っても過言ではない彼女は女性に対してこんな細かい気遣いができるのか。


それは……女性という概念を愛してやまないから!という一言に尽きます。

ちなみに高橋紗倉という女は好きなタイプは?と聞かれて100点満点の笑顔で「女性♡」と答えるレベルの女好きです。


そして、女好きって言うのは私だけが知っている機密事項だったりします……


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