炎獄

二つの月が導くは

冥府の森への別れ途(みち)

迷い彷徨う道のりに

闇が静かに待ちわびる


餓者髑髏(ガシャドクロ)の群れの中

滴る鈍い血の色に

その身を染めて逝く先は

紅蓮の焔(ほむら)が静かに盛る


焦がす焔に輝らされて

踊り狂う瞳の奥に

写りし刃の剣先(ほこさき)を

持つは無数咎人(とがびと)よ


我が身を穿つ咆哮と

狂喜を纏うその笑みは

修羅へと化した虚ろいの

愚者の声等届きはしない


眠りにつく等許しはしない

懺悔の詫び等ささりはしない


甘く思うは無駄な事

もがき苦しみのたうち回れ

己の罪を…

その身で贖(あがな)え



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