[20211211] 素敵な刺繍の美しい花(一)
日が沈む頃、彼女が暮らすトウム・ウルの上を飛ぶ。逸る気持ちを抑えて、ゆっくりと廻りながら下を伺う。
俺の後には荷物を乗せた一頭のルーが付いてきている。まだ若いけど、賢い、よく飛ぶルーだ。手放すのは惜しい。でも、
大きな
あの時は、自分が誰かを攫いにいくなんて、考えてもいなかった。
すっかり暗くなった頃、火の周りに集まっていた男たちが歌い始めた。酒を飲んで歌うのは攫いにゆく頃合いということだ。俺は真っ直ぐに降りてゆく。
できるだけ音を立てずに
遅れて降りてきたルーを落ち着かせて、手綱を引いて一緒に
ようやく、俺の
見事な
急いでここを離れないといけない。でも、俺は我慢できなかった。彼女を抱き締める。ようやく、彼女に触れることができる。髪に口付ける。
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