第4章 3.あらゆる波が飛び交う国、日本
スマホやタブレット端末を使用するようになってどれぐらいになるだろう。
今では、日常的に使用している電子機器で電車内等には欠かせない必須アイテムとなっているように思う。
スマホを見ない日は無いと言っても過言ではないような日々を送っている。
だが、考えてみれば、こういった便利な電子機器を使用するようになったのはつい最近である。
日本ではあらゆる波が一斉に飛び交うようになった。
一昔前であれば、FM放送や防災無線等のVHF(超短波)やアマチュア無線や航空機通信等のHF(短波)、それにAM放送のMF(中波)の周波数の波が主流であった。
そのため、比較的電波の使用量は多くは無かったのではないかと思う。
現在では、皆がスマホを手に持ち一斉に屋内、屋外で使用している。
スマホや無線LANはUHF(極超短波)なので、これまで習慣的に使われていなかった電波なのだ。
この極超短波の波が数年の間で、どんどんと凄い勢いで増えていっている。
スマホのキャリアでも、繋がらないといった現象がしばしば起きている。
これはいかに回線が不足してきているのかを物語っている。
将来的には、使用される電波の周波数帯がさらに多様化するのでは、と予想される。
宇宙研究や衛生通信にはマイクロ波が使われる。
このマイクロ波は、スマホの電波である極超短波よりもさらに情報伝送容量が多い。
情報が様々な形式で蓄えられなければならない近い未来には、このマイクロ波だけでなくさらに直進性の高いミリ波も使われるかもしれない。
日本では、こういった電波が生活の中に知らないうちに溶け込んできている。
スマホの普及の速さは、世界でも類を見ない程と言っても良い。
2010年以前には、健康上の調査がしっかりと行われてから様々な電子機器が普及しているように思った。
それ以降には、電波に関しては無頓着な人が増えているように思う。
私も最近まであまり考えなかったが、スマホが第5世代に移行する時に気がついたことがある。
第5世代のスマホを使用するためには、電波を受信するためのスマホと電波の基地局とが無ければいけない。
電波の基地局は国の許可さえ得れば設置出来るとされている。
もちろん、近隣住民には知らされる由も無い。
急激にこういった新しい電波が飛び交うようになっているのが現状だ。
日本とはそういう国なのだ。
他の国はどうかと言うと、近隣住民に健康被害が出るといった調査を重く見ている。
ヨーロッパでは、日本と同様の電波環境の許可は下りないだろう。
日本の電界に関して指標とされているのは、1976年に制定された基準に過ぎない。
それ以降は全くアップデートされていないのだから不思議な話である。
日本ではTVやネットのCMでも、電波に対しての注意を呼び掛けるものは1つも見当たらない。
欧州では、メディアが問題視して取り上げているので人々の意識も高いというわけだ。
大手のメディアがニュース等の報道番組で取り上げなければ、電波を問題視する人もあまりいないというわけだ。
私の自宅ではIH調理機器を使用している。
IH調理機器は安全で使いやすいとされているので購入するのにも全く躊躇は無かった。
実際に、何年か使用している。
このIH調理機器に対して危険だと感じたことは無い。
けれども使用している方の中にはだんだんと気分が悪くなったり体調不良を訴える人もいると聞いている。
電磁波過敏症と診断される人も数多く存在していて、欧米では社会的には広く認知されている程だ。
このような病気に罹患するのは、長期に渡って電磁波を浴びているからなのか、と最近疑問視している。
これから登場するリニアモーターカーはどうだろう。
電磁波を使用することは間違いが無い。
もともとリニアの方式は強い磁場を発生させなければならない。
この磁場を利用することで車体を浮かせていくことになるので、どれぐらいの危険性があるのだろうか。
ここ数年の電波の使用状況を見てみるとわかることがある。
長期的な視野で物事を見ている国ではない、と思う。
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