第1章 3.ワインセラーの謎
ワインの季節がやってきた!
何となくなのだが、秋はボジョレー解禁ということもあり、私の目はワインに向けられる。
ワインが好きなので、小型の家庭用ワインセラーを持っている。
音に対しては敏感なので、静音性重視で選んだワインセラーだ。
中には20本以上ものワインボトルを入れる事が出来るので、持っておくと非常に便利だ。
このワインセラーは毎晩、「どのワインを飲もうかな」という楽しみを増やしてくれた。
ボジョレーを冷やすスペースも、早くも確保しておいている。
このワインセラーに何本も一度にワインを入れると、急激に冷却をしなければいけなくなる。
そのため、注意書きには少量ずつ入れて冷やすようにと記載されているのだった。
先日、眠っていると異音がして目が覚めた。
どこから異音がしているのか気になって音の行方を探してみた。
するとワインセラーからだった。
会社勤務の私には、睡眠時間はとても大切なものである。
音ぐらいで眠りを妨げられてはいけない。
惜しいと思ったが、すぐにワインセラーの電源を抜いて音がしなくなるのを確認した。
そしてすぐに眠ってしまった。
翌朝、早めに目が覚めたので昨夜電源を抜いたワインセラーを見てみた。
ワインセラーの冷却方法はペルティエ方式を採用している。
ペルティエ方式のワインセラーは振動が無く静音性に優れている点が大きなメリットなのだ。
ただ、コンプレッサー搭載のワインセラーに比べると冷却能力に欠けているというデメリットもある。
趣味のワインセラーとしてはペルティエ方式で十分と考えたのだった。
ペルティエ方式の冷却方式は、熱の移動を利用した冷却方法として知られている。
そのため静音性に優れているとされているのだが、今回異音がしたので無い知恵を絞って理由を考えてみた。
家電から異音が発生するのは大抵故障している場合だ。
ワインセラーの故障は冷却機能の低下と考えられる。
つまり何らかのはずみで、使用されている電流た電圧が変わったのではないかと思った。
電圧の変化は家電の故障の原因としてよく挙げられている。
異音がしたのは電圧の変化ではないだろうか。
パソコンのCPU冷却にも、同様の方式が採用されることがあるのだが電圧の関係で不安定になることが多々ある。
どうやったら家電に使用されている電圧を一定に保てるか、今度時間がある時に対策を練ってみたいと思った。
ワインセラーは電源を入れて復活したが、ワインはどうなっているのだろう。
もしかしたら、昨晩1時間ぐらいかけて何とかした方が良かったのかなあとチラと思った。
今晩、1本ワインを飲んでみようという気になってしまった。
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