第14話 六年生の道徳の時間。
「無茶だよ出来ないよ、危ないじゃない!」
そうお姉ちゃんが声を上げた、僕も思う出来っこないって!。
「そうだよな、普通の人はそう思う、でも父さんはやり遂げたよ、他の新聞社の人もTV局の人も、そこから走り出した同じ仕事をしてる人たちはみんなが、ちゃんとやり遂げた。」
「何でお父さんそんな危ない仕事してたの?」
「誰かがやらなきゃ為らない仕事、でも父さんは自分が成りたくて選んだんだ。」
「何で選んだの?、あたしでも解るよ危ない仕事だって?」
「単純な理由だよ、初めてその人たちを見た時にとても格好良く見えたから、其れだけだ。」
「怪我しなかったの、間違ったら死んじゃうよ?」
それにはお父さんは答えなかった。
「俺が高校生の時修学旅行で初めて東京に来た時だ、バスで移動してたんだが今よりもっと渋滞は
「お父さん、そこって高速道路じゃ無いんだよね?、お巡りさんに捕まらないの?」
「
「嘘でしょ?、お巡りさんの中でも凄い上手い人達でしょ?、学校に職業案内でお巡りさんが来て仕事の説明の時に言ってたよ、成りたくても成れない白バイ隊員は本当に一部の人だって!」
「でも間違い無いよ、その仕事はそんな人たちの集まりだよ。」
僕でも判るよ危ない仕事だって事、そのお仕事大好きだって事、でも解らない事が在る、何で
「お父さんは怪我とかしなかったの、危ない仕事、命懸けって言ってたよね?」
「
「お父さん…、お父さんがそう言うって事は亡くなった人が居るって事なの?」
聞かずには居られなくて、お姉ちゃんか聞いてしまった、僕も聞きたかった事だった。
「残念ながら、遠い所に旅立ってしまった人が沢山いる、手や足を失った人、大事故で体の自由を無くした人も居るよ、父さんの会社にも亡くなった先輩も後輩も居るよ。」
「恐く無かったの…?、お父さんは?」
「
「その時は仕事だからの義務じゃ無いんだ、その仕事を自分に出来ると任された、その責任と、受け取り、そして届けて見せると言う、自分自身の
「ねえ?、
そう言えばお父さんの
「そうだよ、東京にしかその仕事は無いんだ、だからただ成りたくて
「お父さんが修学旅行に来なければ、其の人を見なければ、あたしもこの
「そう言う事だな、もし死んでたら、死ななくても体が動かない怪我でもしてても同じだな。」
「そう考えると奇跡だね、あたし達が此処に居るのは。」
「そうだぞ、ホントに一つ何かが違っても未来は変わって仕舞う、だから大切にし無いといけないんだよ人との出会いは、だから今あの子の為にお前達は何かしようと考えた、だから今は全力を出す事だけ考えなさい、きっと何時かその答えが出る筈だから!」
軽はずみでやって良い事じゃ無かったんだ、さっきお父さんが言った事が
「さてソロソロ一時間たったな、出来上がりの時間だ、さあ確認しよう!」
三人で出来上がった靴を確認した、地面に置いて見る右と左でぱっと見ただけじゃ気付かない、よく見ると右と左で二センチ位高さが違う、お父さんの言った様に両方に加工をして正解だった、中敷きは普段履いてる靴の形に作って在る、靴下を重ねて直ぐに合わせて置ける様に。
「左の中敷きを外してご覧、少し心配だからネジで補強しよう!」
工具箱からネジを取り出した、継ぎ足した部分より少し長いネジ。
「これで中からネジで止めるんだ、ネジで止めるのはお前がやるんだ難しい事じゃ無いだろ。」
ネジを渡された凄く軽いネジ長さが4cm位、同じ位の別のネジも渡されるこっちは重い。
「アルミのネジだ、片方は鉄のネジ全然違うだろ?、片方は靴底を足して重く為ってるだろ?、少しでも軽い方が良い、それで止めるんだズレない様にこうして下準備してからな。」
コードの付いたさっきの工具を取り出した、先端に渦巻きに為った物を取り付け長さを測って、3cmの所にテープを巻いた。
「こうすれば何処迄穴を開けて良いかわかるだろ?、開け過ぎても強度が下がるからな!」
大きな音と共に穴が開いて行く、
「さあドリルの下準備は出来た、仕上げのネジはお前が締めるんだ、仕上げだ責任重大だぞ!」
「あたしにもさせて!」
「お前には別に仕上げを頼むから、一寸待ってろ!」
「判った、待ってるから早く締めてね。」
三本ちゃんと締めた、ズレと
「良いだろう、じゃあお前の仕事だ
「任せて!、平らにするんだよね?」
お父さんが頷いた、頭が平らな皿ビスと言うネジの上、少しずつ凹んだ所を周りと同じ高さに接着剤を塗リ、乾いた処で中敷きを入れた、遂に出来上がった。
「さあ
「僕が呼んで来る!」
玄関に向かって駆けだしていた。
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