半島の落日

@ksasj-77-2011005

第1話

202X年某月某日、新月、深夜2:30



K国、キム某空軍中佐は同国所属のF15キムチの整備不良で満身創痍の機体を不安気にみつめていた。



当初、40機を導入する予定であったF15キムチ・イーグルであるが、K国内の反米機運の高まりと共産党中国への属国化推進にともない、10機を導入したところで以降の導入は打ち切りとなった。


加えて整備担当者のスキル不足(皆無)による稼動不良機の発生(3機)と訓練飛行中の墜落事故(3機)で、飛行可能な機体は僅かに4機となってしまった。



相手はアジア最強といわれる日本国防空軍所属のF15J改とそのファイターパイロット達である。


加えて、日本国内で半ば公然と開発されていた、新世代ステルス戦闘機「心神」もロールアウトし、極秘裏に戦闘警戒飛行についていると聞く…


また、精緻な「日本防空網」では、コチラが離陸した時点で捕捉されるのは目に見えている。



K国空軍の誇りであるキムチ4機にしても20世紀末の機体であり、日本国が自国の最先端技術を導入して改良を重ねている”Jイーグル”の性能には及ばないのは重々承知だ。


ましてや、最新鋭機である「心神」と遭遇しようものなら結果は火を見るよりも明らかだ。



今回の任務は、中国共産党へK国軍の従属と恭順の意思を示すための



   「特攻作戦」   …だ。



目標は日本国、島根県の竹島…



かつては「D島」と呼ばれ、K国が不法に侵略&軍事占拠をしていたが、今から1年前に日本国防海軍/特殊戦略部隊(Mastifu…MAritime Special TactIcal Force-Unit)に電撃的に奪還され日本国領土としての実効性を回復している。



その後、K国としては再度の侵略の機会をうかがっていたものの「彼我の戦力比」から有効な作戦が立案できず今に至ったものである。


このまま、中国に併合され、竹島の扱いは日中間の外交折衝に委ねられるものと思っていたが、K国の軍上層部は自らの保身のために、この作戦を中国軍に上程し、許可を受けている。


ウリナラマンセーのK国の愚かな将軍達はキムチイーグルが日本国防軍を蹴散らして竹島を爆撃できるものと信じてやまない…


70余年に渡って培われた「反日教育」の結果、K国軍上層部は盲目と化していた。


片や、中国軍関係者はキムチイーグルの在庫一掃をかねてこの作戦を許可したらしい。K国軍の兵器体系を中国軍と同一にするための処置ということか…



生きては帰れない事は、今回の作戦に参加するキムチイーグル4機のパイロット達は(副パイロットを含め)7人は承知している。


本来は作戦参加は8人だったが、2番機の副パイロットであるイ某少尉が一人、寸前に姿を消している。


-ここで、逃げてもどこかで対日自爆テロの要員になるだけなのに…馬鹿なやつだ…



とりあえず、4番機は主パイロットのみで作戦に参加することになった。


不可解な事だが、待機要員が揃って急な腹痛に見舞われたためだ。



3:00AM、ちょうどに4機は2機ずつ離陸を開始した。


離陸に入ったとき、当機体は万全を期して整備を行ったにもかかわらず、右ラダーペダルに不調を起こしていることがわかった。


-嫌なのか?キムチ?お前も…


キム某中佐は苦笑するしかなかった。



それでも、編隊長機である1番機(パイロットはキム某空軍中佐)と2番機はどうにか離陸を終え、後続の3,4番機の合流を待つ体制にはいった…


しかし、上空で旋回待機に入る前に管制官から報告/指令が入る。


「3番機、エンジントラブル発生…離陸不能…作戦は1,2,4番機の3機にて遂行されたし…」


編隊長であるキム某中佐にしても充分予期していたことではあるが、それでも落胆の色は隠せない。


-まあ、3番機のぺ某大尉とチェ某少尉の2人は今日は生き残ったわけだ…


彼はうっすらと笑った。



3機編隊は夜陰に紛れて日本海へ機首を転じた。この時点で未だ半島上空ではあるが、日本国防空軍/防空網には探知されているだろう…


日本海に出た時点でJイーグルのスクランブルがかかるはずだ。もしくは、ステルスモードで警戒飛行中の「心神」の邀撃をうけるか…



日本海に超低空飛行で繰り出した。


海面を舐めるような高度で飛んでいる。


整備不良でガタがきている機体には辛い仕打ちだが仕方ない…



******

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る