9日 【エッセイ】巨大文字AAについて

 会話劇やら掌編やらの進み具合がよろしくない。ここはひとつエッセイでもこしらえてお茶を濁すといたしますか。


 巨大文字アスキーアートが好きだ。


 とは読んで字のごとく、巨大な文字を表したアスキーアートである。アスキーアートがわかんない人はググってください。文字や記号をパーツとして大量に使って、巨大な文字を浮かび上がらせる、BBS特有の表現技法。僕はそれが好きだ。巨大文字AAを見ていると、なんだか元気が出る。いや本当に。



巨大文字AA集

http://dokoaa.com/moji/



 まあまあまずは↑のサイトに飛んでみてください。そしてふーんとか言いながらいくつかの巨大文字AAを眺めてみてください(「太線」の段が初心者にはおすすめ)。どれだけ長いあいだ眺めてもいいです。僕らの寿命はなんだかんだ長い。五分や十分や十五分くらい、無駄にしたっていいじゃないですか。気の済むまで眺めたらこのエッセイに戻ってきてください。

 眺め終わりましたか?

 僕がこの巨大文字AAを好きな理由は、AA職人のおバカな情熱を感じるから。「その言葉をAAとして巨大化させてまで使う意味あったか????」という作品ばかりで楽しい。「朝青龍」とか「母さん しょうゆをくれ」とかどのタイミングで使うんだよ。どういう気持ちで職人は「ホルマリン漬け」の巨大文字AAを作っていたんだよ。そういった、無駄の極みとしか思えない巨大文字AAですが、だからこそ「何でそこにベストを尽くしてしまったんだよwwww」みたいな笑いを生んでいると思う。

 僕たちは基本的に、無駄なことはやりたくない。

 だけど巨大文字AA職人にとっては「無駄だからこそやる」だったのだ(たぶん)。

 なんだか僕は、そこに人間讃歌を感じずにはいられない。無駄だったはずの行いが、「無駄だからこそ意味を為す」に反転する。勇気をもらえるような気がする。仕事中、こんなことしても無駄だろとか思って力が抜けそうになる。布団の中、このまま無意味に死んでいくのかもしれないという心細さで眠れない夜がある。だけど、もしかしたら、無駄は悪い事ではないのかも。無駄でも情熱を注げば、なんか面白くなるのかも。

 そう思いながら僕は今日も巨大文字AA集を眺める。


(「小さくてみえない」の巨字AAを眺めるかぎろ)


 いやそっちが大きすぎるんだってばwwwwwww

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