小川の家

奈月 糸乎

第1話

 私の家は田畑だけはたくさんある農家だった。

 

 父が幼い頃は水道もちゃんとしていなくて、井戸や家の前の小川を使っていた。


皆そこで農具を洗っていた。


 近所の人に盗みを働くお婆さんがいて、鍬を持っていかれた人がいた。お婆さんの家まで行って、それを取り返すと、見つけたお婆さんが「この、どろぼうー」と。


皆それを聞いて笑い転げた。


 確かに、お婆さんが盗んだところを見た人はいないのだから。

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