第3話
「……これで……良いのかな?」
パソコンをカチャカチャと弄る一人の男の子。
「WEBカメラの使い方がよくわからん。これでいいのか?……くっ、ゲーム以外で機械なんて使ったこと無いから意味わかんなすぎる」
僕は一気に倍くらいにまで膨れ上がった機械類の前に頭を抱えていた。
マイクの設定はなんとか完了し、今はWEBカメラの設定を頑張って行っていた。
本当に機械類の設定わからない。
特におーでぇおいんたーふぇいすとか言うやつはもう意味わかんな過ぎて諦めた。
ちなみにPCのスペックは元々かなり高いので、PCはそのままだ。
僕のPC何に使うの?ってレベルのクソ高いハイスペPCだ。
……アバターの方はどうしよう。
アバターの作り方というのも一応調べてみたけど、結構難しそうだった。
……やっぱ個人でやろうとしたのは無謀だったのか?
「はぁー」
僕はため息をつく。
別にそんなことはないだろう。
前世にも今世にも個人Vtuberはいたのだ。単純に僕が機械音痴なだけだろう。
「あー!誰かー!」
今、和葉は買い物に行っていて家にいないので、自由に叫ぶことが出来る。
あー、誰かに助けてほしい。マジで助けてほしい。
本当は個人じゃなくて企業になりたいんだけど、多分無理だろう。
僕が申し込んだら割とマジで大変なことになってしまうだろう。
もうVtuberになるとかそんなレベルじゃなくなってしまうだろう。
「よし!これで大丈夫かな?」
ようやく設定終えた機械類を見て僕は満足気にうなずく。
うんうん。
僕頑張った。
「次はアバタか」
僕はPCを前に固まる。
「ちょっとだけエスプリしよ」
最早若干心が折れかけている僕は一旦大好きなゲームに逃げることにした。
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!」
楽しー!!!
やっぱゲームはさいこーですわ!!!
■■■■■
「終わったー!!!!!」
僕は全身全霊でもって叫ぶ。
苦節30年(4時間)。
なんとかすべての設定を終えることに成功した。
いやぁー、辛かった。マジで辛かった。
こんなに大変だとは思わなかった。
「よし!ようやく自己紹介ビデオだな!」
僕はカメラに向かって笑顔を作り、手を振る。
……自己紹介のモーションはこれでいいのだろうか?
まぁいいや。
「どうもみなさんはじめまして!新人Vtuberのマーリンです」
マーリン。
名前の由来は僕の名前に賢という字がついているから、賢者。賢者マーリン。
僕は自己紹介ビデオを撮り終え、早速動画投稿サイトに動画をアップした。
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