夢精の処女
第1話
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」
僕は魂からの悲鳴を上げる。
その理由は単純。
【エスプリ】新キャラの実装とともに僕の使用キャラが下方を食らったからだ。
なんで!使用率はクソやん!僕以外に使わないじゃん!なんで!なんでよ!
勝率が2位と比べて圧倒的なトップに君臨しているからか!それを言われてしまえばぐぅの音も出ないよ!
だけど!だけど!だけど!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」
納得いかないものはいかない!
『変態仮面どんまい!w』
この下方の調整を受けて僕に【神奈月】が野次を飛ばしてくる。
『うるせぇ。お前なんかに僕のこの悲しみがわかってたまるか!』
『でも下方内容はさほどですよね?そんなに影響有るんですか?』
【水面】の言う通り僕の使用キャラが受けた下方はさほど多くはない。
ワイヤの発生速度が0.5秒遅くなっただけだ。
たったの0.5秒と思われるかも知れないが、この0.5秒を侮ることなかれ。
このキャラは0.1秒でもワイヤーを打ち回避行動を取るのが遅れれば相手の攻撃を避けられず死んでしまうというシビアな世界に生きているのだ。
0.5秒の下方はだいぶ痛い。
『0.1秒の世界に生きている僕にとっては死ぬほど痛い下方だよ。この下方一つでほとんどのボスを単独撃破出来なくなった』
『え?そんなにも痛い下方なんですか?』
『まぁね。使用難易度は世界のどのゲームよりも難しいと言われたこの子を舐めないでほしいな。もうこの子を最強として扱ってあげることが出来なくなっただろう……』
『そこまでなんやw流石は一位様w』
『せやろ?もう新キャラに期待やわ。……というか数百万課金したからさっさと新キャラ完凸させてくるわ』
『数百万w課金wどこから湧いて出ているんだwそのお金はw』
『僕は男やぞw君たちの税金からやwありがとなw』
『最悪やw』
『じゃあ完凸させてくるね』
僕はガチャの画面を開く。
そこに表示されるのは新しく追加された美少女キャラ。……良き……。さて、さっさと完凸させていこうか。
ちなみ完凸とはキャラがダブるとキャラの隠しスキルが開放され、強化されるのだ。
隠しスキルは全部で30個もある。
まぁ完凸するのに数百万かかる上に、10個くらいまでの開放なら意味はあるが、完凸させる必要は正直ないからキャラを完凸させているのは僕くらいだろう。
まぁただの自己満よ。オナニーに意味を求めるな!
「ふぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!!」
僕は発狂する。
出ねぇ!数百万課金して完凸出来ないってマ?追い課金だぁ……。
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