第45話 レンリのハーレム
結局、レンリはそのままセリンを押し倒して、抱いてしまった。
セリンとセレカの面影と重なったのだ。
婚約者だったのに、一度もセレカを女として扱うことができなかった。それはレンリの後悔で、セリンをその代わりにしてしまった。
だが、それは翼人に汚されたセリンの望みでもあった。
これでセリンの苦しみが少しでも軽くなるなら、とレンリは願わずにはいられない。セリンはセレカの妹で、そして、レンリに好意を持ってくれる、大事な少女なのだから。
翌朝、レンリが目を覚ますと、裸のセリンが隣にいた。ふふっと彼女は笑う。
「おはようございます、レンリ兄さん」
「ああ、おはよう……」
セリンの小ぶりな胸を、寝ぼけながら見てしまう。レンリの視線に気づいたのか、セリンははじらうように毛布を引き寄せて、身体を隠す。
「もうっ……レンリ様ったら」
「ごめん」
「わたしみたいな娼婦をやっていた女が恥ずかしがるなんて、おかしいかもしれませんけどね」
「そんなことないよ」
セリンはまだ15歳だ。名門貴族の娘で、将来を期待されていた才色兼備の美少女だった。
たとえ翼人に汚されたとしても、自分を恥じることなどない。
けれど、セリンはくすりと笑った。
「昨夜のわたし、いかがでしたか? 皇女殿下よりも上手かったでしょう?」
「それは……」
たしかにそうかもしれない。セリンは翼人の男たちに繰り返し犯され、男を喜ばせる術を仕込まれているようだった。
一方で、17歳と年上でも、リーファはレンリ二処女を捧げ、レンリにしか抱かれたことがない。
ただ、それがあるべき姿なのだ。
「皇女殿下が羨ましいです。でも……わたしもこれでレンリ兄さんの、いえ、レンリ様の妃ですよね?」
レンリはうなずいた。セリンを抱いたときから、レンリはセリンを後宮に入れると決めていた。
ライラと同じく、汚されたセリンには行き場がない。普通の結婚も望めないだろう。
「セレカ姉さんの代わりに、わたしがレンリ兄さんの寵愛を独り占めしてみせますから」
セリンは甘えるように、レンリに抱きつき、頬ずりをした。小さな胸がレンリに押し当てられる。
レンリはセリンを抱きしめ、そして耳元でささやく。
「セリンはセレカの代わりなんかじゃないよ。……必ず俺がセリンのことを幸せにしてみせる」
「ありがとうございます。わたし、レンリ兄さんの子供を生みたいです……皇女殿下よりわたしのほうが二人は多く生んでみせますから。あっ……」
レンリはセリンの唇を奪い、その後に押し倒した。胸を軽く触ると、セリンは幸せそうな顔をする。
「レンリ兄さん……」
そのとき、部屋の扉が突然、勢いよく開けられた。そこにいたのは、蒼騎兵のサーシャで顔を真っ赤にしていた。
<あとがき>
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