第9話 トランプでスマイル

Side:ショウセイ


 幾日か経った。

 ピーラーとライターなどの貸し出しで、何にもしなくても食っていける。

 ただでおすそ分けしているのも好調で、砂糖の販売も好調だ。

 だが、それでいいのか?。

 まだだ、もっとスマイル溢れる村にするんだ。


 リストを作る事にした。


 シンタさん一家専用。

  食パン

  ファイヤースターター


 貸出。

  ピーラー

  ライター。


 おすそ分け。

  チョコレート。

  歯磨き用品。

  シチュウのルゥ。

  マッチ。

  ハチミツ。

  ジャム。


 売り物。

  砂糖。


 おすそ分けの品は全部売り物にしよう。

 値段は適当でいいや。


 長く使える物があると良いな。

 なんだろう。

 何にしようかな。


 そうだ村には娯楽が少ない。

 リバーシ、トランプ辺りでどうだろう。

 遊びとしては定番だ。


 まずは子供達から遊びを流行らそう。


 広場に行くと子供達がいた。

 クロエちゃんをいれて6人だ。

 人数的にもちょうど良いな。


「遊び道具を持って来たぞ」

「本当?」

「何!」

「やるやる」

「見せて」

「やりたい」

「面白そう」


「まずはリバーシだ。これは二人でやるゲームなんだ」


 俺はリバーシの説明をした。

 クロエちゃんとジータが対戦する。


「難しい」

「へへーん、5個ひっくり返してやった」

「私の色が減っちゃう」


「クロエちゃん、最初は沢山取らない方が良いんだ」

「そうなの」

「ずるいよ。ヒントなんか与えて」


 みんなでワイワイしながらゲームは進む。

 もちろん、スマイル100円は貰った。

 価格が1000円ぐらいだから、600円だと赤字だ。

 でも、繰り返し使えるから、そのうち回収できるだろう。


 トランプは600円ぐらいだから、一度スマイル100円を貰えばトントンだ。


「やった私の勝ち」

「ちきしょう、もう一回だ」


「ずるい、私達にもやらせてよ」

「じゃあ、残った四人はトランプをしよう」


 ええと、ゲームはババ抜きで良いな。

 ババ抜きの説明をした。


「やったペアになった」

「さあ引けよ」

「そんな事言って、ババがあるのは分かっているわ」

「さあどうかな」


 楽しんでいるようで、スマイル100円が何度も入る。

 娯楽用品は当たりか。

 儲けた分はトランプに替えて子供達にお土産として持たせた。

 これでかなり稼げるはずだ。


Side:ジータ


 ショウセイという奴が遊び道具を持って来た。

 クロエと対戦する。

 このリバーシという遊び面白い。

 油断しているとすぐに逆転をくらう。


 何回か試しているうちにコツが分かった。

 ショウセイにも色々とヒントを貰ったけど。


 最初のうちは取り過ぎない。

 はしを取る。

 もっと重要なのは角を取る。

 でもクロエも同じ助言を聞いているので、なかなか勝てない。


 みんなはトランプとか言う物をしている。

 あっちも面白そうだ。

 ガヤガヤ、ワイワイ言っているが聞こえる。


「俺達もあっちに混ざろうか」

「うん」


 ババ抜きというゲームをする。

 これって運だけじゃないのか。


 と思ったら、俺がカードを引こうとしたら一枚だけ飛び出てる。

 気になる。

 あの一枚にどんな秘密が。

 引いて秘密を知りたいと思う。

 いや罠だ。

 そう思わせて、いや。

 何が何だか分からなくなった。

 ええい。

 飛び出てる一枚を引く。


「ガーン、ババじゃないか」

「そうよ。一枚だけ目立つようにしたのは警告よ。私、正直者なのよ」


 そして、ゲームは進み。

 また一枚だけ飛び出てる。

 今度は騙されないぞ。

 脇のカードを引いた。


「ガーン、ババじゃないか」

「引っ掛かった。馬鹿じゃないの」

「むきーっ。ごちゃ混ぜに混ぜてやる」


「あー、ババの位置が分からなくなった」

「へへーん。そら引けよ」


 ババ抜きが終わった。


「トランプには色々な遊び方があるんだ。次は7並べをやろう」


 ショウセイがそう言った。

 なんだとー。

 こんな面白い遊びがたくさんあるのか。

 巡礼者ってのは物知りなんだな。


 遊びは終わり、俺は家に帰って巡礼者になるって言ったら、叩かれた。

 なぜだ。

 分からない。

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