第97話 孤児院に寄付をしに行こう

「カイル兄様。スクラルド王国に孤児院ってありますよね?」


「王都にあるよ。いきなりどうしたんだい?」


「私は、お金が入ってくるばかりで使い道がほとんどない。

 だから貯まる一方なので、孤児院にでも寄付しようかと思いまして」


 私は、家も物も魔法で作れてしまう。

 食材も肉は自分で狩れるし、スノーたち従魔が毎日のように狩ってきてくれるから必要ない。町の住民たちにお裾分けしてもかなり余っているくらいだ。

 野菜などは買ったりするけど、私のお金ではない。


「いいんじゃないか。寄付は貴族にとってステータスみたいなものだからね。

 もうすぐ四歳になるアイリスが孤児院の子供の為に孤児院に寄付するのを変に思われるかもしれないけどね」


「どう思われても構いません。貯め込むだけでは、お金が回らず、国の経済は今以上に良くなりませんから持っている者が、本当に必要としているところに寄付や融資をするのです」


 無利子で金融屋やるのもありかもね。流石に四歳児がやるとトラブルとかありそうだから、大人にやってもらって、融資するお金を私が出すって感じになるけどね。


「カイル兄様。金貸しを商売にしている者はいますか?」


「いるよ。商人ギルドもそうだしね。でもギルド以外の金貸し業者のほどんどは十日で少ないところでも一割の利子を取られる高利貸しの業者ばかりだけどね。

 まさかアイリスは、金貸しをはじめるつもりなの?」


 取り締まられておらず、そういう業者が幅をきかせているということは、金利は何%までとかそういう法律無いのかな。


「まさか金利は、元金の何%までとかいう法律はないのですか?」



「ないね。利息は貸し主が自由に決められる。だから高利貸しの業者ばかりだけどね。

 国王陛下も法律を制定しようとしていたが、業者の裏に貴族がいたから反対する者が多く、うまく行かなかったんだけど今は、その者たちは結界の魔力供給源となり、もう居ないからな。

 近いうちに制定されるんじゃないかな」


 じゃあ今後は、高利貸し業者は法定金利まで下げるか、今まで通りの高利貸しを続けて捕まるかだね。



「まあもしやるとしても私は融資するお金を出すだけですね。

 借り主の対応とか店舗は、大人の人に任せることになります。

 余計なトラブルに巻き込まれたくはありませんからね」


「そうだな。もしやるならちゃんと言うんだよ」


 これに関しては、やるならちゃんとカイル兄様に報告、相談しよう。


「では、寄付をしにちょっと王都に行ってきます」


「わかった。私も一緒に行こう」


 そして私はカイル兄様たちと一緒に転移魔法で王都に転移した。

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