第95話 ダンジョンにはいつ行けるの?
「ルシフェル、サクヤ。ダンジョンはどんな感じだった?」
「そうだな。私には物足りなかったな。アイリスが行く意味はないと思うぞ」
ルシフェルは元魔王なんだから、そりゃそうだろうけどさ。
そういうことが聞きたいんじゃないんだよ。
サクヤは、私のことをわかってくれているはずだから私が知りたい答えをくれるはずだ。
サクヤに期待しよう。
「サクヤも話聞かせて」
「そうだね。僕も物足りないと感じたけど、アイリスが聞きたいのは、そういうことじゃないんだよね。
そうだな……魔獣は、魔の森にいる魔獣の方がダンジョンの魔獣より強いね。
浅い層は、一角ウサギとかコボルトっていう地上には居ない魔獣が多かったよ。
一角ウサギは見た目が角の生えたウサギだっし、コボルトは二足歩行だけどまんま小型犬や中型犬だから強くはないけど、見た目に騙されて倒すのを躊躇しちゃうかもね。可愛い動物が好きなアイリスの場合だと」
一角ウサギにコボルトか。異世界モノによく出てくるよね。
今まで見たことなかったけど、地上には居なかったからのか。この世界では、ダンジョンのみに出現する魔獣という位置付けなのかな。
それにしても可愛いのか……私がダンジョンに行ったら倒せるかな……サクヤの言うとおり、躊躇しちゃうかもな。
「一角ウサギは、鋭い角で躊躇いなく突っ込んでくるから油断していると大怪我しちゃうだろうからダンジョンに行くつもりなんだろうし、躊躇なく倒さなくっちゃダメだよ」
そうか。躊躇しちゃうと大怪我しちゃうかもしれないから私が、怪我をすればカイル兄様をはじめ皆が不安にさせちゃうもんね。
いくら不老不死でも死ぬことはないけど傷は負うし、痛みはあるみたいだからね。
そうだ私は、魔獣をテイム出きるからそんなに可愛いなら従魔にしちゃおうかな。
ダンジョンの魔獣をテイムできて、ダンジョンの外に連れ出すことが出来るかわからないけど、出来るなら是非ともそうしたい。
「何の話を聞いているんだい?やっぱりダンジョンのことかな?」
カイル兄様が胃を押さえながらリビングやってきて、そう聞いてきた。
カイル兄様はまだ胃の調子が良くないのですかね。
そのわりには、昼食に厚切りのドラゴンステーキを何枚も食べていましたけどね。
体が受けつけないからとポーションの受け取りを拒否されたのに、ポーションを飲まずに胃の調子が悪いまま昼食をたくさん食べるなんて、カイル兄様は自分の体をイジめるご趣味がおありなのでしょうかね。
「そうです。ダンジョンに出た魔獣のことを今聞いていたところです。
一角ウサギやコボルトといった地上にはいない可愛らしい魔獣が居たそうなので、テイムしたい気持ちです。
ダンジョンの魔獣は、テイムしてダンジョンの外に連れ出せるのですかね?」
「そうか……私は冒険者ではないし、人族の国には、今までダンジョンがなかったからその辺はわからないな。
魔国にはダンジョンがあるからその辺は、ルシフェルが詳しいと思うのだがどうなんだ?」
「ダンジョンの魔獣や魔物をテイムして、従魔として外に連れ出すことはできるぞ。
主人の魔力で存在し続けられ、生きていけるからな。
だが、一角ウサギもコボルトも弱いから戦力にならんぞ」
私は戦力として考えてないんだよルシフェルさんや。
可愛い魔獣は、ペットとして癒しを求めているいんですよ。
「そういえば一角ウサギは、肉が柔らかいからうまいらしいぞ。
ドロップ品でいくつか一角ウサギの肉が出てきていたから今夜の夕食に出してくれ」
「……」
お肉美味しいのか……でもサクヤからの説明で、直接は見ていないが可愛いというのを知ってしまった。
ドロップ品だから肉の状態なんだろうけど、可愛い一角ウサギの肉を使って私は料理することは出来ないし、食べることできないよ。
「カイル兄様。私はいつダンジョンに行けるようになるのですか?」
私は話題を変えるためにカイル兄様に質問をした。
そして、今夜の夕食に一角ウサギの肉を使い料理するつもりもないので、もし食べたいのであれば、私のいない時にゾイルさんに作ってもらってくださいねルシフェル。
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