第94話 結界を張りました
調査隊の皆が調査に行っている間に私は、旧アリステラ公爵家本邸に転移して、魔力供給の結界を改造した。
国を被っている結界を経由して、今後新たに張る結界に魔力が供給されるようにした。
新たな結界を張ることになる度にここに来るのも面倒だし、ここにいい思い出もないしね。
これからは、新しく結界を張る度に勝手にここから魔力が張った結界に国を被っている結界を経由して供給されるようになるから、ただ結界を張るだけで済むというわけだ。
カイル兄様に聞いた話によると以前なら死罪になるような罪を犯した重犯罪者は、ここに連れて来られるようになったようで、この結界を張ることになった原因の人たち以外に、既に三十人近くの犯罪者が結界内に入れられたらしい。
張った目的は、アリステラ公爵派や過激派魔族を有効活用するために張った結界だった。
よかったよ。屋敷内をカイル兄様に報告しないまま一定数人が増えると自動で空間拡張されるような術式組み込んでおいて、そうしなかったら公爵家の屋敷とはいえ、敷地内に罪人が溢れかえって、大変なことになっていただろうな。
やることもやったし、もうここには用はないからファミーユに転移で戻ることにした。
「カイル兄様。ただ今戻りました」
「アイリス。お疲れ様」
「調査隊は、ダンジョンを踏破するわけではないのですよね?」
「ああ、ダンジョンの階層数だけでなく、出現する魔獣の強さや種類も踏まえて、ダンジョンのランクは決まるからダンジョンある程度潜って、魔獣の強さや種類を調査したら戻ってくるはずだよ」
「よかったです。じゃあ、最初の踏破者になれる可能性はまだあるのですね」
「そうだね。経験の浅い者だとダンジョンランクを見誤って、踏破してしまったということもあるらしいけど、ギルマスもいるし、経験豊富な者が多いからそんなことにはならないから安心しなさい」
調査だけだったのによみ間違えて、踏破しちゃいましたとか、最悪だよね。
そういう意味でも今回の人選は、完璧だね。
王妃殿下が踏破したいとか思ってしまわなければ……きっとそうなってもギルマスが止めてくれるはずだ。
それから三時間くらい経った頃、王妃殿下たちが屋敷に帰って来た。
「あのダンジョンは、中級のダンジョンだったわ」
「アイリス。ギルマスが調査が終わったから結界を張ってくれと言っていたよ」
「わかった。これから結界張りに行くからルシフェル付き合ってよ」
「わかった」
私は、ダンジョンの入口に結界を張るためにルシフェルと一緒に魔の森に向かった。
「ここがダンジョンの入口だ。どんな結界を張るんだ?」
「そうね。生きた魔獣、念のために魔物は、結界内から出られない結界かな。
ただ魔獣や魔物をってするとドロップした素材を持っていると結界から出られない可能性もあるかもしれないからね」
「なるほどな」
私は、イメージをして、結界を張った。
勿論、魔力が供給されているかもしっかりチェックも忘れずにした。
やることもやったので、軽く魔の森の魔獣を少し狩ってから屋敷に帰った。
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