第92話 アイリス、やけ料理する②

「アイリス様。それでデザートは何を作られるのですか?」


「一つは、王妃殿下とマーガレット義姉様はプリンを気に入ってくれているので、プリンアラモードを作ろうかと思っているよ」


「「プリンアラモード?」」


「プリンアラモードは、プリンと一緒にフルーツやホイップクリーム、アイスクリームなどを盛り付けたデザートだよ」


「豪華なプリンって感じなのですね」


「あとはパフェも作りましょう」


「パフェは、アイリス様が以前こっそり作られていた時に食べさせてもらったので知っています」


「料理長!!ズルいです。私がいない時に食べたのですか」


 あと何作ろうかな……今のところアイス、フルーツ、クリーム系が二種類だからな。

 和的なものを……お汁粉かぜんざいか。あとは、洋菓子だけど日本発祥だからスイートポテトとかいいな。


「ジュルリ」


「アイリス様。よだれが……」


 おっと!デザートを考えていたらついついよだれが出てしまった。


 プリンアラモード、パフェ、ぜんざい、スイートポテト以外にもショートケーキ、マカロンなど色々作った。


 色々作ったので、スッキリした。


「アイリス様。料理もデザートもたくさん作りましたが、全部夕食に出すのですか?」


「出すよ」


 王妃殿下の歓迎会ってことで出せば問題ないよね。


 そして夕食の時間になった。


「今日は、とても品目が多いな。何かお祝いでもあるのか?」


 夕食を食べに来たルシフェルがテーブルに並んだ料理を見てそう言った。

 まだデザートもあるけどね。


「王妃殿下が来られたから歓迎会の意味もあってたくさん作ったんだよ。みんなたくさん食べてね」


 一番の理由は、憂さ晴らしだけど王妃殿下の歓迎会もやりたかったし、嘘は言ってはいない。


「もうお腹いっぱいだ。完食できたが、アイリス……ちょっと作り過ぎだったんじゃないか?」


「そんなことはないですよ。カイル兄様。

 まだデザートもたくさんあるので、是非召し上がってください」


「デザートもあるのか!!」


 そして私は、収納から作ったデザートを全部テーブルに出した。


「さあさあ、カイル兄様。食べてくださいな」


 料理してスッキリはしたけど、まだ思うところはあるからね。

 カイル兄様には、限界以上に食べてもらいましょう。ウッシシ


 王妃殿下とマーガレット義姉様は、予想どおりプリンアラモードに食い付き、美味しそうに食べている。


 サクヤは、懐かしいのかぜんざいとスイートポテトを一緒に食べているけど、その組み合わせはちょっと……合わないんじゃないかな。


 カイル兄様は、目の前に出したホールケーキを必死に食べている。頑張れカイル兄様。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る