第58話 ギルド支部ができたので登録に行く

 区画整備が終わってから、一週間が経ちファミーユにも遂にギルドが出来ました。


 最初は、冒険者ギルド、商業ギルド、錬金術・魔道具ギルド、医療・薬師ギルドが一つの建物内にある総合ギルドになる予定だったが、各ギルド支部が個別に設置された。


 住居区画に冒険者ギルドと医療・薬師ギルド


 工業区画に錬金術・魔道具ギルド


 商業区画に商業ギルド


 という感じで設置された。


 勿論、各ギルドの建物は私が魔法でパパッと建てましたとも。


 建物は、他領にあるどこの支部も似たような感じであるらしいが、特に決まりがあるわけではないらしいので、マンションと同じく鉄筋コンクリートの建物にした。


 街並みもそうだが、見たこともない建物が一瞬で経ってしまったので、派遣されたギルマスや受付嬢などギルド職員たちが大変驚いていた。


 村に初めて来た時の住民たちを見ているようで、懐かしく感じた。


 懐かしいと言っても、まだ一年経ってないけどね(笑)


「カイル兄様。私、従魔登録のためだけ登録しましたが、興味が出てきたのと、領地運営は、カイル兄様たちがするので、私は暇なので冒険者をやってみようと思います」


「そうか。暇を持て余して、とんでもない物を作られても困るからな。いいんじゃないか」


「あと、前々からマキさんやナンシーさんに店をやってはどうかと言われたので、レストランと食堂の経営するので、食堂の建物は区画整備の時に住居区画に、レストランは商業区画に建ててあるのですが、商人としての登録まだなので、商業ギルドに登録に行ってきます」


「わかった。行ってきなさい」


 住居区画の食堂は、住民たちが食べに来る用なので、あまり大きくないけど商業区画のレストランは、出領や他国からやってくる人向けなので、大きめで高級感ある建物になっているし、従業員用の寮が隣接されている。


 それから日本で医師をしていたので、何かあった時のためにとサクヤは、医療・薬師ギルドの登録をするらしい。


 私は、カイル兄様に報告し終えたので、屋敷を出て、マリアンナさんの家に向かいマリアンナさんと一緒に転移魔法で、商業ギルドの前に転移した。


「あら、アイリスちゃんにマリアンナじゃないか。ギルドの登録かい?」


「ナンシーさんも商業ギルドに登録きたんだね」


 ファミーユの町の住民たちは、私が転移して急に現れても驚いたりはせず、普通に話しかけてくる。


 今までも何度もやっているので、慣れたのだろう。



 私が経営するレストランと食堂のうちマリアンナさんは住居区画の食堂の店長をすることになっって、ナンシーさんは私が経営する商業区画のレストランの店長をすることになったので、ナンシーさんも登録しに来たのだろう。



 私は経営だけで、直接店で働いて店をまわすわけではないので、その役目のマリアンナさんとナンシーさんも登録が必要らしいのだ。


「じゃあ、丁度いいので一緒に登録しに行きましょう」


「そうだね。まさか村長からレストランの店長になるとは、思いもしなかったけどね」


「わたしもです」


 そして、三人で商業ギルドには行って受付に向かったた。


「いらっしゃいませ。ご用件はなんでしょうか」


「レストランをやることになったので、登録にきたんだよ」


「そうですか。では、こちらの用紙に記入をお願いします」


「私は経営だけで、店を任せるのはこちらのナンシーさんとマリアンナさんになるので、用紙を三枚枚頂けますか?」


 受付のお姉さんは、私を一緒に着いてきたどちらかの子供だと思ったのかな?


 そりゃあそうか。まさか三歳児が経営者で、ナンシーさんとマリアンナさんが雇われ店長なんて思わないもんね。


「そうでしたか。失礼しました。

 では、三人ともこちらに記入してください」


 見た目で文字の読み書きが出きるか聞かれると思ったけど、経営者って言ったから聞いてこなかったんだろうね。


 そして、記入事項を書いて、受付のお姉さんにわたした。


「他のギルドに登録され、ギルドカードをお持ちだったりしませんでしょうか」


「私は持ってないね」


「私も持ってないです」


「私は冒険者ギルドと錬金術・魔道具ギルドに登録してます」


「そうですか。では、ナンシー様とマリアンナ様は新規で発行しますので、針で刺しこちらに血を一滴お願いします。

 アイリス様は、ギルドカードの提出をお願いします」


 私がギルドカードをお姉さんに渡している間にナンシーとマリアンナさんは針で指を刺して、ギルドカードに一滴垂らした。


「三人ともご登録が済みました。

 経営者であるオーナーのアイリス様は、毎月売り上げの十パーセントを税金として納めていただくことになります。

 店長であるナンシー様とマリアンナ様は、毎月給料の一パーセントを税金として納めていただくことになります。

 そして、登録されたばかりですので、Fランクからになりますが、毎月の納めた税金が一定額に達するとランクが上がります」



「それは繁盛して納めた税金が多ければ、FランクからDやCランクにランクアップすることもあるのですか?」


「はい。オーナーであるアイリス様は可能ですが、店長であるナンシー様とマリアンナ様は、固定給なのか出来高払いなのかで、変わってきます。出来高払いであれば可能です」


 うん。じゃあナンシーさんもマリアンナさんも大丈夫だね。

 店長であるナンシーさんとマリアンナさん含め、レストランの従業員は固定給+出来高払いだからね。


「わかりました。有難うございます。

 ちなみにEランクにランクアップするには、どのくらい税金を納めればいいのですか」


「はい。経営者と雇われている店長では違いがありますが、こちらのようになっております」


 お姉さんが用紙を出してくれたので覗き込んだ

 どれどれ……



 ランク 経営者 店長


 Eランク 金貨十枚 金貨一枚


 Dランク 金貨三十枚 金貨三枚


 Cランク 金貨五十枚 金貨五枚


 Bランク 白金貨一枚 金貨十枚


 Aランク 白金貨十枚 白金貨一枚


 Sランク 白金貨百枚 白金貨十枚



「ありがとうございました」


 用紙を返して、気になることも今のところはもうないので、商業ギルドをあとにした。


「アイリスちゃん。提供する料理は珍しくそしてなりより美味しい物ばかりだから、客をつかめばすんなりどんどんランクアップできそうだね。

 特にアイリスちゃんは、二店舗の経営者だからね」


「そうですね。私の方の食堂は、住民のためのお店ですから大儲けとは行かないでしょうけど、ナンシーさんの方は、ファミーユを訪れる人向けですから大儲けも可能ですからね」


「そんなことないとないだろうよ。

 マリアンナの方も朝晩は家で食べる住民が多いだろうが、昼は大繁盛するだろうよ」


 確かに三食のうち昼食だけ外で食べるとか前世でもよくあったからね。

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