第28話 甘酒は飲む点滴&飲む美容液
「アイリス様、それは何ですかい?」
「これは、米麹だよ。醤油があるから種麹は、お店で売っていたりするんだろうけど、どこに売っているかわからないからね。
一週間前から種麹から作って、昨日米麹が出来上がったんだよ。
魔法でならすぐできるけど、カイル兄様になんか言われそうですからね」
「「「!!」」」
「アイリスお嬢様が、少し成長された。自重を覚えられた」
アリス、そんな言い方しなくても……他のみんなも驚いたりしなくてもいいじゃん。
アリスの言葉に頷いているし……
でも、ごめんね。温度が重要だから前世の電子温度計に似た魔道具を作っちゃったんだよね。
料理の時にしか使わないから、調理場に来ることの少ないカイル兄様に見つからないだろうから、報告してないしね。
「これで何を作るんです?」
「甘酒を作ろうと思っているよ」
「!!」
「甘酒……?甘いお酒ですか?」
「酒粕からも作れるけど、お酒はまだ作ってないから酒粕がないし、酒粕から作る甘酒は、アルコール含まれているよ。
でも甘酒って言うけど、米麹から作る甘酒にはアルコール入ってないからお酒じゃないよ」
「そうでしたか。ついにお酒を作られるのかと思って、私は驚いてしまいましたよ」
アリスさんには、お酒作りたいって話したもんね。
お酒を早く作りたいけど、カイル兄様にもまだ話してないし、もうしばらく経ってからにするつもりだよ。
作っても私は、まだ飲めないしね。
「甘酒は、夏には冷して飲めば、夏バテ予防になりますし、栄養豊富で栄養価が高いので、体にいいですし、美肌効果や美髪効果があり、発毛効果もあるらしいですよ。冬は温めて飲めば体が暖まりますしね」
「「本当ですか!!私飲みたいです」」
「俺も飲みてえな。ちょっと気になってきたしな」
アリスさん、マキさんの女性の二人は、美肌・美髪が、ゾイルさんは、発毛に食いついた感じですが.ゾイルさんは髪の毛多そうに見えるし、まだ気にする必要ないと思うけどな。
「ゾイルさんは、気にする必要ないと思いますよ」
「そう言ってもな。俺もそれなりの年だから気になるんだよ。爺さんもおやじも禿げてたからよ」
遺伝で、自分も禿げるだろうから気にしてたのか。
それなら仕方がないね。
「じゃあ、作りましょうか」
「「「はい」」」
米麹に五十五~六十℃のお湯を入れて混ぜます。
麹の固まりが残っているとそこの部分だけ上手く甘酒に仕上がりませんから固まりがほぐれるようにしっかりと混ぜていく。
「お湯の温度が六十℃よりも高いと麹菌が死滅してしまうので注意してください」
「アイリス様、その魔道具は、何ですか?」
「これは、温度を測る魔道具です。種麹や米麹も温度が重要なので作りました」
「カイル様には……?」
「報告してません。カイル兄様は、調理場にあまり来ませんからいいかなと思いましたから……
料理人のゾイルさんとマキさんには、必要でしょうからあげますね」
ゾイルさんとマキさんに温度計を渡した。
「温度を五十五~六十℃に保ち、炊飯器で、途中三回くらいかき混ぜたり、温度を確認しながら、約8時間保温します」
炊飯器の保温モードで、フタを少し開けて、釜にふきんを被せて六十℃ぐらいを保たせる。
ライス草を食べるのは、今のところ私が知る限り、この町だけだ。
お釜で炊けるけど、お釜では保温できないからね。
炊飯器を作ったんだよ。勿論、町の住民にも配ったよ。
炊きたての方が美味しいけど、保温できれば食事の度にご飯炊かなくていいからね。
甘酒作りには使えないけど、この炊飯器は、魔道具で、保温モード以外に時間停止モードも付けてある。
なので、いつまでも炊きたてのままのご飯を維持することもできる。
八時間経ったので、そのまま飲むと濃い場合もあるので、お湯を足して、味の調整してから味見した。
「私はこれで丁度いいけど、甘さが足りない場合は、二~三時間さらに保温すれば甘味が増します」
「美味しいですね」
「甘くて美味しいです」
「ちょっと俺には甘過ぎだが、うまいな」
炊飯器の保温スイッチを切り、常温まで冷まし、冷蔵庫で冷した。
「冷やすとまた違った味になりますよ。甘さが抑えられるので、甘過ぎと感じたゾイルさんにも飲みやすくなると思います」
キリッと冷やせば甘味が抑えられて、あっさり飲めるし、苦手な方は、炭酸水で割ったら飲みやすくなる。
しっかり、冷えたので、カイル兄様たちも呼んで、飲んだ。
冷やすと甘さが抑えられるけど、念のためゾイルさんのは、炭酸水で割ってあげた。
女性陣は大丈夫だったが.他の男性陣も飲んでみて甘いと言ったので、ゾイルさんと同じように炭酸水で割ってあげた。
「うん。これなら飲みやすいな。うまいな」
「おお、炭酸水で割るとうまいな」
「ゾイルさん、炭酸で割ったやつちょっと飲ませてください」
「いいぞ。ほれ」
「これも美味しいですね。確かに炭酸で割ると甘酒飲んでいる感じがなくなり、飲みやすくなりますね」
「そうだろう。これなら甘いのが苦手なやつでも飲めるよな」
甘酒の炭酸割りは、好評のようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます