第23話 流しそうめん&そうめん流し大会①

 私とスノーの従魔登録も終わり、魔獣の素材も高く買い取ってもらえた。


 国王陛下からもらった報酬もあるので、一日だけで、かなりのお金を得てしまった。


 今のところお金を使う機会が全くないので、今後もお金は貯まっていく一方になってしまうだろう。


 アイリスが欲しいと思うものは、魔法で作ってしまっているので、この世界にあるものより、便利で高性能なので、買うより作ってしまうのだ。


 欲しいと思うと相談せずに作ってしまうアイリスにも原因はある。


「目的も終えたし、帰るとするか」


『はい』


 そして、ギルドを出て、馬車に乗り込み門で手続きを済ませて、門の外で転移し、屋敷に戻った。


「カイル兄様、麺類が食べたいので、作っていいでしょうか?」


「今夜はパスタがいいのか?」


「いいえ、パスタと同じ小麦粉で作るそうめんを作りたいのです」


「また新しい食べ物か」


「はい。町の住民を集めて、流しそうめん大会をやりたいです」


 みんなで盛り上がりたい。各村で食事を振る舞ったりはしたが、町の住民みんなで、何かをやったことはないから、やりたいのだ。


「流しそうめんとはなんだ?」


「竹製の樋を使って、冷水で素麺を流し、流れてきたそうめんを箸で捕まえて、生姜やネギなどを薬味を入れためんつゆ等に付けて食べるのです」


「面白そうだな。でも、取れなかったらどうするんだ?

 そうめんが無駄になってしまわないか?」


「ザルを置いてあるので、そうめんが無駄になることはありませんが、中々取れなかったりするのも醍醐味のひとつです」


「そうなのか」


「中々取れずに楽しくなくなってしまう人もいるかもしれないので、回転式そうめん流し器という円卓テーブル上を円環する桶に、水圧で水流を起こし素麺を流して、箸ですくい食べる装置を用い、めんつゆ等に付けて食べるそうめん流しも用意しておきましょう」


「そうめん流しだけで、いいんじゃないか?」


「流しそうめんは、左右一列に並んでやるので、竹を長くつなげれば、みんなで楽しめるのですが、そうめん流しだとテーブルの大きさによりますが、テーブルにつける人数には、限度があるので、住民全員となると三十台くらいテーブルと装置を作らないといけなくなりますよ」


「そんなにか!!」


「なので、長い流しそうめん用の竹とそうめん流し用のテーブルの魔道具を十個くらい作ろうかと思っています」


「そうしてくれ。竹は裏山から取ってくればいいのか。カイト、トマス、ハルク町長に言って、住民を連れて、明日にでも裏山から竹を……」


「どうされました?」


「アイリス、竹はどのくらい必要だ?」


 二つに割るとしても住民全員でやるしたらそれなりの数が必要になるよね。


「余裕を見て二十から三十本くらいですかね」


「わかった。じゃあ、カイト、トマス、二十から三十本くらい竹を住民と一緒に取ってきてくれ」


「かしこまりました」


「そうめんは、どうするのだ?」


「そうめんは、普通に作ると室内乾燥室があれば別ですが、天日干ししなければならないので、天候に左右されますし、工程も多いですし、結構な肉体労働になるので、魔法でちゃちゃっと作ってしまいたいと思います」


「そうか。消費してしまうから、証拠は残らないから、まあいいか。

 しかし、いつも思うが、アイリスのスキルや魔法は、便利すぎだな」


 確かに魔力∞で、限度なく何でも作れちゃうから便利だよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る