第13話 町の名を考えよう。

 各村で村長さんを拾って旧領主邸のある村に到着しました。


「本当に一日かからずに到着してしまうとはな」


 カイル兄様、信じてなかったのですか。

 悲しげな表情をしてカイル兄様を見る。


「あ ああのな、アイリスの言ったことを信じていなかったわけではないのだが、言葉だけで説明されるだけでなく、実際に体験してみてそう思っただけなのだ」


 カイル兄様、動揺し過ぎです。


「そんなことよりも御者をしていたカイトが、あのスピードなのに何の抵抗も受けていないかのようにしていたがどういうことだ?」


「御者席の前に結界?シールド?みたいな触らないとわからないくらい透明な板のような物が付いていまして、それが風の抵抗を防いでくれていたからですよ」


「そうなのか……本当だな触るまでわからなかったが、板のような物があるな」


 カイル兄様は御者席までいき御者席の前をバンバン叩いて確認していた。


 まあ、壊れる心配はないからいいんだけどね。


 そして、私たちはみんなで旧領主邸に入っていき、屋敷内にある会議室に向かった。


「アイリス様、この屋敷は私たちの家と同じ素材でできているみたいですが、真っ白ですけど汚れとか目立ってしまいませんか?

 王城や貴族の屋敷も白を基調としていて、長年雨風にさらされたりしているので、掃除しても汚れが目立ったりしているとハルク村長さんから聞いたことがありますよ」


「ナンシー村長さん、壁に密着させた極薄の結界を張ってあるので、汚れがつくことはないのでいつまで経っても真っ白なままなんです」


 ナンシー村長さんから真っ白だけど、汚れが目立つのではないかと質問されたので、説明した。


「もちろん、皆さんの家も同じようになっているので汚れることはないですよ」


「そうなんですねありがとうございます。アイリス様。」


 そんな話していると会議室に着き、それぞれ席に座った。


「もう一度確認するが村を一つの町にするということ皆、賛成ということでいいな」


『はい』


「では、決めなければならぬことを決める町の名と町長を誰にするかだ」


 町の名前はともかく、町長はハルクさんで決まりじゃないかな多分。


「町長は元貴族ということじゃし、ハルク村長がいいと思うのじゃが皆はどうじゃ?」


『賛成』


 一番年長のナダル村長さんがハルク村長さんがいいという意見がで、満場一致で町長はハルクさんに決まった。やっぱりね。


「町の名前はカイル様とアイリス様で決めればいいと思うわ……領民である私たちが決めるのは違うと思うのよね」


「そうだなわ領主家の二人に決めてもらうのがいいですね、どうですかな?カイル様、アイリス様」


 まあ、そうなるよね。これからずっと使い続けることになる町の名だ。責任重大だぞ。


「アイリスタウンってどうだ?」


「!!」


 カイル兄様(怒) 町の名に私の名前を使うのはやめていただきたい。


『賛成』


「!!反対 反対 絶対反対」


 私以外が賛成……このままでは決まってしまうと思った私は大きな声で何度も反対と叫んだ。


「では、アイリスはアイリスに変わる町の名の何か案があるのか?」


「……」


 考えろ私。このままでは私が恥ずかしい思いをする私の名前のついたアイリスタウンに決まってしまう……


「ファミーユってどうですか?家族って意味で、一つの家族が複数集まり村に、更に集まり町にって感じで町の皆が家族みたいな感じで……」


「「可愛い響きね」」


 七人の村長のうち女性陣二人には好感触っぽい。


「家族か……家族なら助け合うべきだし、町の人々は家族だからずっと助け合い生きていくという願いをこめて、どこの言葉かわからないですが、家族を意味する言葉を町の名にするのはいいですね」


「そうだな」


 おお、みんなファミーユ気に入ってくれている感じだね。

 カイル兄様はどうですか?


「アイリスも捨てがたいのだが、私もアイリスの家族であるからな、家族を意味するファミーユ、これがこの町の名で決定だ」


 町の名がファミーユに決まり、町長はハルクさん。


 町になったからといってらそれぞれの村人が一ヶ所に集まって暮らすわけではない。


 そんなことしたら各村廻って、家立て替えた意味ないからね。


 今まで村長だった人たちは、そのまま今まで住んでいた所の代表になってもらった。


 大きな町になったからハルク町長一人では、把握しきれないこともでてくるだろうからね。


 各代表から町長に町長からカイル兄様にって感じで報告上げてもらって、まずは私たちが積極的動いて手を貸し、町を便利で生活しやすくして、いずれは町長のハルクさんを中心に町のみんなだけで町を活性化していけたらいいな。

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