第10話 友達またできたぜやったね
「かァァァしんどかったなぁ授業。」
「そうだねぇ〜久々真剣に頭使ったよ。」
「俺の脳みそスカスカやねんからやめてほしいわい。そういや忘れてたけど、ラインとか交換しよや。」
「うん、いいよ。」
「んじゃこのQRコード読みとっちゃって、よしそれでおけ。まぁ俺のアイコンこれやから。」
「なんで松崎しげるなんだよ。」
「まぁ名前一緒なんで!良か良か。」
「いや名字しかあってないじゃないか。」
「そういう伊織こそなんよ…おいお前それ某ダイビングサークルの伊織やないか笑笑」
「まぁ名前一緒なん」
「いや下の名前しかあってへんやろがい。」
「言わしてはくれないのね笑笑」
「っとまぁこれで昨日のモヤモヤが解消されたわけやし、飯食うか!」
_______さてさて両者やり残したことを終え、
今は昼休憩。
「今思ったんやけどさ、友達もうちとないほしない?」
「ま、まぁ…ボクはどっちでもいいよ…」
なんか複雑な気分。正直2人じゃ…ダメなのかなって、ボク的に。でもそれは烏滸がましい。景一と一緒にいたい欲がなかなか強めなボクだが、たしかに言われてみればもう少しいてもいい。
「んじゃ作るか!あのガタイのいいやつにしようか、なぁー釘本やっけ?ちょ友達なろぜ。」
「ん…?あぁいいぜ?よし!俺の名前は釘本晃介!えっと景一と伊織くんだね!よろしく!」
「おー抜群の元気だねぇ。ボクたちとこれからもよろしくね。」
「俺らと仲良くしてくれよな。」
「おうまかせろ!俺にかかれば余裕じゃい!」
ボクたちの友達に元気の根源のような存在が加わった。
___________
(そういえば伊織くんって女の子なんだよな…そのことを絶対景一に言うなって言われてるし、どういう…ハッ!そういうことか!なんかよくみたら伊織くんの顔なんかまぁまぁ綻んでるじゃねぇか!)
察しのいい釘本にはわかってしまった。
この2人がどういう関係なのかということ。
「これは、この2人とつるむのが楽しみになってくるぜ。もしそういうムードになったのなら俺は一歩退き、見守ってやるか。」
と同時に俺は非常に重たい責任を負った気がした。
「でもこの関係を保つためにはこの2人のイチャラブを壊さないようしないといけない。」
そう、これだ。
「とすると、俺はこの2人のどちらかに告ろうとしてるやつから守らないといけないな。」
「まぁそれはなんとか俺がしてやる。」
俺は決心した。必ずやこの2人の恋の行方を良い方向に向かわさないといけない。
_________
「いやー伊織や、元気の源みたいなやつと友達になれたな。面白くなりそうやな!」
「景一とすぐ意気投合しそうなやつだね。」
「せやな、俺こういうタイプ結構好きやからな。」
「よし、そしたら2人目も行っちゃいますか?」
「おうよ、そうしようぜ!」
よしよし、順調に友達作りができていて嬉しい。
とりあえず前の席のやつに声をかけてみる。
「なー鍵塚ー、俺と友達になろ」
「うるさい、本読んでるから黙って。」
「おっ…おう。」
辛口返答をしたのは青縁メガネのロング、
なかなかの美女としてクラス中で有名な、
鍵塚水菜。
普段鍵塚は1人で読書を嗜んでいる、というのも、周りの皆が近づき難く、それに本人も周りを気にせず1人の時間を楽しんでいる。
俺は先陣をきる。普通に友達になったらいいじゃないか。しかしこんな返答じゃなれそうにないぜ。
「ま、まぁ邪魔して悪かったな。まぁなんや、友達になろうぜ。」
「別に…求めてなんかないけど。」
「くっ…俺には無理だ!伊織!お前が説得してくれ。」
「えぇ!ボクか…よし、やってやろうじゃないか、少年。【もう大丈夫、私が来た!】」
「うん、なんか聞いたことあるなそれ。」
伊織に任せた。俺はメンタルが…弱い。
「鍵塚さん、ボクたちとどうか、友達になっていただけませんか。」
「伊織、かてぇよ。そんな同級生にかしこまらなくてもいいんじゃな」
「は…はい、も、、もちろんです。是非私でよければ…!」
え…?俺全然ダメだったのになにこの差。
しかも妙に恥ずかしがっている。
まさか鍵塚よ、好きなのか…?なんてな。
てかこの差まぁまぁショックであった。
「お…おう、さすがは中学モテ1なだけあるな。まぁなんやかんや友達増えたな。」
「うん!友達づくりはボクにお任せあれ!」
「お前、やっぱなんでもできるな、すげぇよ。」
「う…うん!ありがとう!」
妙にこいつも顔が赤くなっている。さては緊張したのか?まぁそんなことないか。
「まぁ、どうする。もう1人いっとくか、って。」
__________キーンコンカーンコン
「昼休みのチャイムなっちゃったよ。てかやべ、まだ飯残ってる!いそいで食わんと!」
「ほんとだ!完全に忘れてた!やばいやばい!急げーー!」
こうして俺らの友達作りが幕を開けた。
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