あなたのいない左肩

 彼女のことを考える。

 たまたま仕事で、ぶつかった。それが左肩で、彼女は左肩だった。それからの関係。

 正義の味方だけど人に言えない任務だったので、彼女の記憶は消した。彼女は、もう自分のことを覚えていない。

 任務はまだ続いている。正義の味方らしく、なかなかスリルのある毎日。彼女のいない日常を、とりあえず任務で埋めている。

 仕事が終わったら、また彼女に逢いに行こうと思う。思うだけ。多少、勇気が要る。だって彼女は自分を覚えてないし。2回目の初対面。いや普通に緊張する。警戒されたら終わりだし。

 おっと。

 任務任務。

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