迷宮遭難救助隊の忘れ物
LMDC
全体的な設定(書き始めに考えたこと)
初期設定です。物語を書き進めることで矛盾が生じつつあるのはご愛嬌。
【惑星】について
珍しくもない小さめの渦巻銀河。その辺縁部を公転するK型恒星の連星系。居住可能領域に複数の惑星が存在している。その一つに地球に似た海洋型惑星がある。創成期に大きめの衛星を一つ従えたことで自転速度は遅くなり、その大気圏の気流は比較的に穏やかなものに変化した。
陸地と海洋の比率は三対七。海は深く、安定した海流があり、惑星全体の年平均気温は二九〇ケルビン。生物が高度に進化するには申し分のない環境が維持されている。この惑星には三つの大陸と、それらの周囲に複数の島嶼群が存在していて、人型の高等生物が生息している。
【魔力】について
素粒子に作用する普遍的な力(マナ)。地球の現代物理学では未発見。力とは交換子である。ホントダヨ。
【魔法】について
魔力に巨視的な指向性を持たせて物理化学的または生物的生理的心理的な作用を顕現させるための具体的な方法(呪文)——ということにしておいて欲しい。
【魔術】について
魔法を効率的に運用するための体系。剣術のように術理が体系化されている。実地に学ぶことで戦場で大いに活躍することができる。平民でも魔術に長けたものは、領地を持たない法衣貴族(男爵位など一代限り)として叙任されることもある。
【中央王国の位置情報】
住人たちに大いなる大地と呼ばれている大陸。東西に四〇〇〇粁、南北に三〇〇〇粁、海岸線は複雑で全長は四七〇〇〇粁を越え、その形状はオーストラリア大陸に似ている。内陸部には砂漠地帯も存在するが、気候は平均的に温暖湿潤といえる。その大陸に中央王国が存在している。
中央王国の国土の大半は森林に覆われており、多種多様な動物が生息し、豊かな生物相を形成している。森林資源も水資源も豊富ではあるが、生活の糧を得る手段としての放牧地や穀物畑は国土に比べて狭い。
森林の成長速度が早く、森を切り拓いて、耕作地を広げても直ぐに森に飲み込まれてしまう。大型の野生動物や迷宮から溢れ出る魔物たちが障害となり、開墾地を維持するのは困難であった。
サルベージャーズの主人公たちの時代より少し前、南西部の辺境伯による開墾の成功により、中央王国は農産物や畜産物の輸出国として、周辺諸国より抜きん出た存在となった。
【支配構造】について
統治者と被治者との間に形成された人的結合関係のこと。王権が諸侯(在地勢力)の特権維持を認めることの引き換えとして、諸侯の王権への誓約を為すことを要求される。誓約の式文として文章に記録される。互いの行為を制限し、関係性の安定化に資する誓約による重層構造こそが支配構造と言える(自分でも何を書いているのか解っていないので悪しからず)。
ローマの荘園制に起源を有する欧州中世の封建制度は、自衛目的のための秩序として生まれたということを思い出して欲しい。王は恩給地を有力者に与え、その代償として忠勤を約束させた。日本にも“御恩と奉公”や“一所懸命”など似たようなシステムが存在していたので、理解し易いだろう。
恩給地は一代限り、功績に応じて与えられ、統治者から下賜された者が死亡すると統治者に返上されていたのだが、時を経るに従い世襲されるようになった。世襲により用益権を特定の一族によって承継維持されるようになると、封建制度の上下の関係が固定化する。このサルベージャーズ世界においても同じである。
【開拓の必要性】について
中世的な土地を媒介する【支配構造】は人口増加あるいは天変地異に起因する食糧生産力の増減により揺らぐ。職業と身分は不可分であり、社会秩序の根底をなしている。人口増加あるいは自然災害による飢饉や戦乱などにより生活基盤を失った人たちが王都や領都に流入すると治安の悪化は避けられない。
秩序維持のためにも支配者である国王や貴族たちは社会的な富の源泉である土地を増やす必要に迫られる。周辺の未開地を食糧増産や鉱物資源確保、貧困者たちの授産や刑余者の厚生などの名目で開拓事業を起こすことになる。
王都や領都から貴人の継承権の低い子弟に率いられた開拓民は辺境の地へと向かう。都市やその辺縁部とは異なり開拓地には働き口がある。都市およびその周辺で発生した流民を開拓地の労働力として吸収することにより、辺境地開拓事業が秩序維持に貢献している。
【中央王国の街】について
王都や商業都市では、巨大な石造りの建物が立ち並び、石畳の道は、排水用の側溝、その地下に下水道が整備されていて、大型の馬車がすれ違うに十分な幅がある。
また河川などの水源に恵まれており、都市部の衛生管理は行き届き、産業革命前後の欧州諸都市などと比べるまでもなく、清潔な街並みが広がっている。
貴族や豪商が支える華やかな文化が発展しており、平民の生活にも浸透している。社会全体では余剰な富が蓄積されており、技術や学問、芸術や宗教、道徳や倫理など人々の生活様式を豊かにする文化が発展している。ルネッサンス後期の欧州の雰囲気を漂わせている。この辺りの設定はテンプレを踏襲。ナーロッパ万歳!
【王都の生活】について
中央王国における平民の生活水準は高い。十二、三世紀の中世欧州というよりは、十七世紀の北アメリカ大陸の植民地時代の都市生活に近い。
中世欧州中期ほどではないが、ある程度、服装と身分が対応している。正確には職能による制限を受けているが、機能面において都合が良いという理由からであって、法によって拘束されているわけではない。安息日には、余裕のある者たちがお洒落を楽しむ姿を見かけることができる。
楽しむと言えば、この中央王国の食生活は変化に富んでいる。多種多様な料理が存在しており、食材の豊富さ、調理方法の多彩さ、味付けや見栄えなど工夫を凝らしたレシピーがある。王都の富裕層にとって食事も娯楽の一つとなっている。
【銃火器】について
中央王国やその周辺諸国では銃器の発達は芳しくない。魔法によって、大火力を遠方に投射可能であることが原因。
しかし、この辺りを突き詰めて考え始めると、機械技術指向が弱いという設定は矛盾を孕みやすく、所謂、大規模化や自動化の技術発展が鈍いというのもご都合主義に陥りやすい。
剣と魔法という“世界の理”を崩壊させかねないのであまり深く考えてはいけない。
【辺境開拓地】について
サルベージャーズの舞台は、中央王国の王都から南西に遠くはなれた辺境の開拓地。
華やかな王都ではない。勿論、婚約を破棄される悪役令嬢も転生者に誑かされる間抜けな王子様も登場しない。その代わりに大型野生動物、魔物、それに野盗が登場して、我が物顔で闊歩している。
実にありふれた異世界の情景の中、深い森の辺縁部に小さな町があって、そこには破落戸たちが集う冒険者組合がある。後は、迷宮を添えれば、物語が始まる。
【魔女の森】について
魔女の森は、中央王国の南方の辺境に位置する巨大な森で、神々の力が及ばない場所と恐れられている。【厄災の大魔女】と呼ばれる超越者の棲家という伝承が語り継がれている。
大魔女の力が魔獣を呼び寄せ、森を繁茂させて、人々の糧を喰らうと信じられている。大魔女の伝承は、今でも中央王国の子供の躾にも使われる。我が儘で親の言いつけを聞かぬ子供は、月の無い夜に大魔女に喰らわれる、と聞かされながら育つ。
大魔女が子供を喰らうかどうかは定かではないが、魔女の森では人々の力が及ばない強大な魔物が跳梁跋扈しているのは事実であり、深く暗い森は過去に無数の開拓地を住民ごと飲み込んできた歴史がある。
【厄災の大魔女】について
アデレイドやドロシア=エレノアを生み出した外なる神の一柱。魔女の森の奥深くで眠っている。
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拙作「迷宮遭難救助隊」はこちらです。
https://kakuyomu.jp/works/16816700429103720529
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