スキルが本名で決まる世界で、俺は異次元の炎スキルを手に入れました。
toropoteto
1話 最低な名前
俺にはコンプレックスがある。何かって?
名前だよ、俺の名前。
「田中アトミックフレア」。。。
ふざけてるよな、俺の親父がゲームが好きで、何かの作品に出てくる必殺技を、そのまんま俺につけたんだってさ。
当然親戚に反対されたけど、強行突破したらしい。何の意地なんだよ…
俺は…昔から内向的な性格で、友達を作る事はおろか、人に話しかけることすら苦手な人間だった。
まぁ、こんな名前の奴と友達になりたいなんて人間は1人も居ないだろう。
そんな生活が何年も続いたある日、というか今日、俺は交通事故に遭った。青信号の横断歩道を渡ろうとしたら、飲酒運転のトラックが思いっきり突っ込んできて、壁に打ち付けられて頭が潰れて即死。
良いことなんて1つも無い。最悪な人生だったよ。せめて俺の名前がまともだったら、もう少しマシに思えたかもな。
それにしても、死んだ後って普通に意識が続いてるんだな。目の前は真っ暗だけど。
俺、幽霊になったのか?ここはどこだ?
「田中アトミックフレア、ですね?」
誰だ?女の人の声がする。
「私は別の世界と別の世界をつなぐ役割を持つ女神アグエウペ。貴方を神の導きにより、新たな世界へと転移させましょう。行きたい場所、希望などありますか。」
はぁ、別世界への転移ねぇ。こんな話、本当にあったんだ。
それにしても行きたい場所、希望か…
「…新しい世界に行くんだったら、俺の名前で苦労しないような世界が良いな、なんて。」
名前で苦労しない、とか初対面の相手に言っても意味わかんないよな。
もっと面白そうな世界を希望しとくべきだったか?
「はい、それでは貴方の名前が貴方自信の力となるような世界へ転移させます。」
「えっ?なんだそれ、そんな世界あるのかよ?」
「はい。《輝ける名》を有する貴方には、その世界へ転移する適正が有るのですよ…」
ちょっと待ってくれ。と言いかけたが、視界が段々と真っ白になっていき、意識も薄れ、身体の感覚も無くなっていく。
これが異世界転移か…なんて思いながら俺はゆっくり目を閉じた。
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