僕の頭の中
@kakushika7
第1話
高校一年生。義務教育から解放され、自由に自分の意思で人生を歩んで行けるようになる一年目。そんな世の中の大人たちの言葉を信じて、胸を躍らせた俺がバカだった。高校に入学して約半年経ったが、中学の頃から変わったことといえば、通学時間が伸びたことと、顔のニキビが増えたことくらいだ。
大体高校なんて、世の中の16歳はだいたい行ってるし、いや、もちろん高校に通ってない16歳もいるけど、それはごく少数で。かといって、高校行ってない人をバカにするつもりなんか微塵もなくて、むしろ、大人の敷いたレールに従うくらいなら、高校なんて通わず、中卒でいればよかったと、今更思ってるし。まぁ、でも、俺にそんな勇気ないんだけど。あれ?なんの話だっけ?
「けいくーん、遅刻するわよー」
俺がベットの上でくだらないことを考えていると、一階から母のおっとりとした、それなのにやけに通る声が聞こえてきた。高校の入学式の朝にこの声で目を覚ました時は絶望した。なんだ、結局何も変わらないんじゃないかって。中学三年間この声で朝を迎えたのと同じように、高校三年間もこの声で俺の1日がスタートするのだと。日常に変化はないのだと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます