彼女が立てた計画は
さまえる
第1話
「続いてのニュースです。本日未明、元日本国防軍中将で第30代国防庁大臣の御醍醐沖人(ごだいごあきと)氏が何者かに自宅で殺害されるという事件が起きました。
警察はこれを受け・・・・・・・・」
私はそこまで聞きラジオを止めた。
プルルルルプルルルル
すると突然電話が鳴った。
私「はいもしもし」
???「もも、うまくいったみたいだな」
もも「うまくいったよ。情報ありがとう」
もも「にと、そっちにはじめいる?」
にと「はじめはまだ帰ってきてない」
もも「そうか。じゃあ帰ってきたら「ももの薬切れそうだって」と言っといて」
にと「わかった。はじめに伝えとく。あまり無理するなよ。今回は配達で届けるわ」
もも「じゃあね」
電話を切った。私は準備をして学校に行った。
俺は桜田。東部方面第2区域第3地区管轄の警部である。
桜田「本日未明、元日本国防軍中将で第30代国防庁大臣の御醍醐沖人氏が自宅で殺害されていた。
検死の結果、フグが持つテトロドトキシンによる毒殺であり現場には赤のスプレーで「あと、5人」と書いてあった。
以上が今回の事件の現在の情報はこれがすべてだ」
1人手を挙げている奴がいる
桜田「そこの君」
「東部方面第2区域第3地区管轄の井佐巡査部長です。事件現場に争った形跡などはありませんでしたか?」
桜田「自宅には争った形跡はなかったらしい。さらに玄関の鍵は閉まっていたそうだ。ただベランダの窓は開いていたと報告を受けている」
井佐「ありがとうございます。」
桜田「ほかに質問ある者は?ないなら解散」と言い会議は終わった。
今回の事件は不思議なほどになにも違和感がない。指紋があるわけでもなくフグの毒だけ飲まされたような形跡もない。
さらに争った形跡もなくフグの刺身を食べている時の事故ではないかと思っているほど完璧なのである。
部屋の壁に赤いスプレーで「あと、5人」と書いていなければ私は事故死だと思っていただろう。
防犯カメラもチェックしたが被害者が1人で帰宅している所は見れた。それにマンションの廊下にあるカメラでも被害者の帰宅後誰1人として訪れた者はいない。
明朝に秘書の方が被害者の自宅を訪れたことでこの事件が発覚したのだ。
ここまで完璧に人を殺せる犯人がどのような人物なのか全く想像できない。
翌朝。ネットニュースでは被害者のこれまでの汚職が記事として出されていた。デマの可能性もあると思いながら見ていたが機密文書ともとれる書類が大量に掲載されている。
私はこの記事の情報提供者が今回の事件に絡んでいると踏みこの記事を出した出版社を訪れた。
しかし出版社は情報提供者の信頼が一番ですのでいくら警察でも情報を提供することはできませんと断られた。
井佐「お疲れ様です。桜田警部」
桜田「ああ、おつかれ。何かわかったことあるか?」
井佐「何もわからないですね。何が目的なのかも全然わからないです。ネットニュース見ましたか?」
桜田「ああ見たぞ」
井佐「あることないこと書かれているんだろうなと思って記事見たんですけど誰があんなに機密性の高い情報出したんでしょうね。しかもあれだけ汚職があれば、誰に命を狙われているか分かりませんね。」
確かに今回の被害者は殺害されたことは事実だ。しかし汚職の記事が出ているため世間では「死んで当然だ」と言う意見が数多く出ている。
記事の中には未解決事件に関連する汚職が何個か混じっていたため時効が過ぎていない未解決事件の捜査が再開された。
この捜査が再開されて数日すると今まで未解決事件として捜査が難航していた事件の被疑者が逮捕された。私達、警察もこのネット記事のおかげで逮捕することができたのだ。
警察のホームページではこの記事の情報提供者に感謝の意を述べた。
また未解決事件として難航していたこの事件の被害者遺族が弁護士を通じてネット記事の情報提供者に感謝の意を述べたのだ。
いま巷ではこの情報提供者は誰だと話題になっており偽物まで出ている始末だ。
学校や会社でも話題沸騰となっている人物である。
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