06.体に良くない修行(後編)
06.体に良くない修行(後編)
次の日に、ステータスを確認するとMPは2500になっていたけれど、HPは1000にしかなっていなかった。HPとはすなわち生命力、体力のことだ。体力をつけるのに一番良い修行は何か。
―――経験上、それは剣の修行だ。剣はまず振り上げる際に首や肩、振り下ろす際に胸や腕などの筋肉が鍛えられる。そして、重たい剣を振るのにはしっかりとした体幹や全身の筋肉が必要となってくる。なので剣の修行は全身を鍛えるのにとても向いているのだ!
しかし、俺はここで一つ大事なことに気づいてしまった。
そう、剣の修行をやるにしても、それで使う剣がないのだぁぁぁぁぁ!
仕方ないのでここの森の木の枝を落ちていたと尖った石で削って木刀を作った。結構上手く作れて、自分の器用さに驚いた。まあ、それは気にせず、とりあえず素振りをした。
手が痛くなったら、苦痛耐性!疲れてきたら、苦痛耐性!そのおかげで、日が沈むまでずっと木剣を振っていられた。
するともうすぐ辺りが暗くなってこようとした時、
《スキル『剣術』を獲得しました》
と例の声が頭の中に響いてきた。
「よっしゃぁぁ!このスキルを獲得しちまえばここから先どんどん剣術が上達するに違いない!」
そしてその翌日から俺は毎日、剣と魔法を修行し続けた。
剣の修業と言っても、剣をただ振るだけでなく、日頃の筋トレや走り込みも含めて全てだ。魔法はとりあえず毎日魔力切れ起こすまで使い続けた。
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜
「ここに来てもう一年が過ぎるのか」
俺は365本の細い線が掘られた岩を見上げながら呟いた。
『それにしてもご主人様随分と成長されましたね。身体的にも能力的にも』
確かに身長は伸びた。だが、髪もひげも伸びていない元の姿のままだ!なぜかと言うと、俺は山に埋まっている金属からカミソリを作ったからだ。ちなみに、その他にも、ナイフ、金槌、ハサミ、更には刀まで作ることができるようになった。
そして、生活魔法も上達し、新たに火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、聖魔法、闇魔法を覚えた。火魔法、水魔法、風魔法は生活魔法でトレーニングしているうちに使えるようになったのだ。聖魔法は服を毎日クリーニング(生活魔法)していたら自然と使えるようになっていた。土魔法は錬金術で必要な金属を山の中から探して掘っているうちに覚えたのだ。闇魔法はちょっと厨二っぽいことをしていたら………とハハハ、なんか覚えちまったぜ!
さらに俺は新しい修行方法を見つけた。聖魔法の『
その結果俺の今のLvは250、HPは25000000(二千五百万)、MPは50000000(五千万)という最初の頃の俺とは見違えるくらいのステータスになっていた。
そして、毎日のように剣を振り続けていると、称号に『剣神』が追加された。(さらに、『ドM気質』が『ドMを極めしもの』に派生していてちょっとショックだった)
今では、剣術から派生したスキル、『縮地』『絶対切断』『次元切り』(このスキルはまだ使用不可表示が出ていて使えないが)をも獲得している。また、『駆け足』の上位互換の、『神速移動』が加わった。
さらに魔法は、膨大な魔力を0にするために毎日、火と水と風と土と雷を出しまくって、常に自分に聖魔法をかけていたら、どんどん魔力量が増えていき、今では火魔法は「
ちなみに言うとこれらの技名は俺が考えたヤツではない。意識せずに毎日炎、水、風、雷、土、聖気、闇の塊をそこら中に放出していたら、急にステータス画面に技名が出てきて、さらにそれのイメージ的なものも付け加えられていたので、それに従って形作っていったというわけだ。もちろん、全部一気に使えるし、連発も行ける(らしい)!
らしい、というのは実はまだ実際にぶっ放したことがないからだ。ステータス画面に使用する魔力量みたいなのが表示されるから単純計算でそう言っているだけだ。実際ぶっ放すってなるとやっぱりビビッちゃうんだよな。
ちなみに、たとえ全部発動した状態で10発ぶっ放しても、全MPの三分の一くらいしか使用しないようだ。
ちなみに言うと魔法も相当な量を訓練していたらしく、『魔帝』の称号も追加されていた。おそらくこれは『剣神』の魔法版みたいなところだろうな。
リュートのステータス
Lv:250
HP:25000000(二千五百万)
MP:50000000(五千万)
獲得スキル一覧:(剣術系)縮地、絶対切断、次元切り、持久力、駆け足、神速移動
(魔法系)苦痛耐性、錬金術、生活魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、聖魔法、闇魔法、
ユニークスキル一覧:ナビゲート
称号:異世界人、苦痛に耐えし者、不運の象徴、修行バカ、ドM気質、ドMを極めしもの、剣神、魔帝
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