行方不明

どうすればいいか考えていた。俺は立場上人間の味方をしなくてはならない。けど…。

「おいおい終わったか。今度はこれ行ってきてくれ。」

子供が行方不明になっている事件だった。しかしながらこいつの人使いの荒さに呆れた。

「行けばいいんだな。」

「あそうそうこれもAI絡みらしいぞ。」

この馬鹿は人の神経を逆撫でする天才という事が今はっきりした。こんなことで苛立っても損しかないのでとっとと支度して現場に向かった。

その家は汚くて荒らされていた。

「どうぞ勝手にしてくれ。」

感じが悪いオッサンが出てきた。かなり苛立っていて動作が怪しい。まさかやばいのがあるのだろうかと調べるとゴミの山の酒の空き缶があった。ただのアル中のようだ。このことは触れないで置こう。平常心で会話をしようと試みた。

「そんで、高秀さん何があったんですか。」

「んと。りんごが連れ去られた。」

「りんごはお子さんでしょうか。一体誰に。」

すると口調を強くし始めた。

「AIだよ。全く家政婦として雇ったのによ。誘拐犯になりやがって。」

「AIの特徴は何かありますか。」

「多分今流行りの心理体っていう奴だな。女の人型のAIだ。あと名前はほむらにした。それだけ。うん。」

この情報を持ち帰って探す目処を立てていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る