人間

「全く人間も堕ちたの同然だ。」

大きな独り言が聞こえたので聞き返した。

「どう言う意味ですか。」

無視してテレビをつける。すると再び怒りが込み上げたらしい。テレビの内容はAIの自由がテーマらしい。

「あっ悪い。時に人間をどう捉える。」

「人間は私達を作ってくださったそういう存在です。なので奉仕は当然かと。」

「なるほどな…。でも最近のAIには感情がついた。もう人間らしく接するべきではないだろうか。」

「はあ。」

少しだけ言ってることが分からなかった。緊急報道でAIがどこかで裁判を起こしたらしい。理由は人権が擁護されていない点で論点になっているらしい。

判決はAIの敗訴らしい。この後どうなるかはまだ未明らしい。

「ところで何で私は外に出ていけないんですか。」

さっき気になった事を聞き出した。

「人間は天使にも悪魔にもなりうる存在。…つまりそう言う事だよ。」

また意味不明な事を言われた。少しだけ人間ぽくした質問を投げかけよう。

「何故ゴミ箱にコアがあるんですか。…誰かに壊されたのですか。」

表情が固まった…どうやら答えにくい質問らしい。

「…ああそうだよ。お前さんと同じAIが壊された。…でも犯人は器物損壊しか問うことができなかった。AIは人にいいように作られている。悪いなこんな話して。」

少しだけ人間ぽく生きろと言う意味が分かったような気がする。

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