第2話

時刻は午後1時を少し回った頃。

場所は高級料亭の個室。

席料も取られたし、1万円の懐石料理が

途中まで出されたところ。


「なんでお前が来たのか説明願おうか...?」


「は?それがわざわざお着物着て、正座までしてあげてる幼馴染に対して言うセリフ?

ちょっとは労いなさいよ」


「どんな風に労えばいいのかお教え願おうか...?」


「...バカね。例えばそうね...。

足を崩してもいいんだぜ。痛いだろ?

痺れたら大変だろう...とかかしら?」


「なるほど。足を崩してもいいんだぜ。

痛いだろ。無理すんなよ...」


「全くもって、棒読みでダメね。

なってないわ。そんなんじゃダメ。

もっと私に優しくしなさいっ!」


「は?優しくできるわけねぇだろ...。

学生時代、

お前には散々振られて、こっちはメンタルズタボロにされたわけよ。振り返ってみせよう...」

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