第17話 最終話

ドライブデートになって車の中で駆の話を聞きながら少しばかりの寄り道をする。


そのまま帰路に着いたのは夕方になっていて、夕日に照らされたビル群が艶やかに照らされている。そのとき、駆が口にしたことに薫は驚く。


「実は今回泊まった旅館は廃業していたんだけど、あの場所一帯を買って料理も人を雇って作ってもらったんだ。数千万ほどかけているんだよ。」


駆のその言葉に、薫はビル群から反射した夕日を浴びている駆の横顔を見つめることしかできなかった。


そのまま集合した場所に戻り、笑顔で別れた。


もう季節は夏に向かう。


このまま、また春を迎えるのだろう。

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蕾の春 kaoru @kaoru_379

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