第7話
車に差し込む日差しがほのかに肩を温める。車の窓から見る山の景色は初春の訪れを感じさせる桜色の花を咲かせていた。
旅館に着いて車から降りる。荷物を部屋に置いて旅館の庭を散歩していると大きなしだれ桜が二本並んでまだ蕾を残していた。
写真や動画を撮る駆。その様子を撮る薫。夕暮れの中で二人の時間が照らされる。
ゆっくりとした時間が過ぎていく。
風が冷たくなり陽が陰ってきたころ。部屋に戻り撮り終えた写真を二人で覗き込み、ふと顔を上げて目線を合わせては笑い合う。駆と薫の距離が縮まっていく。少しの緊張と優しい時間に薫の胸の辺りが緩んでいくのを感じていた。
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