真夜中の恋人

白星うみ

眠れない夜

 ずっと真夜中ならいいのに。そうしたらきみと僕はずっと恋人でいられて、誰からも咎められることはない。

 夜の海にきみを連れていくのも悪くはないし、きみと波にさらわれるのもいい。

 真夜中の海は暗いし冷たいし、ちょっと心細いけど、きみがいるなら怖くないんだ。

 きみは瓶の中でからから笑って、僕の胸ポケットで危ないよって言うんだ。僕も「危ないね」って笑って、それから「帰ろうか」とも言える。後ろ指を指されずに、誰にも心配されることなく堂々と歩くことができる。朝みたいに急かされることなんかないんだ。

 時計だって見逃してくれるさ。だから、僕は真夜中がいい。きみがいるとよく眠れるから。

 僕は真夜中が続けばいい、永遠に夜空が広がっていればいい、ってそう思うよ。

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真夜中の恋人 白星うみ @shorahoshi_umi

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