真夜中の恋人
白星うみ
眠れない夜
ずっと真夜中ならいいのに。そうしたらきみと僕はずっと恋人でいられて、誰からも咎められることはない。
夜の海にきみを連れていくのも悪くはないし、きみと波にさらわれるのもいい。
真夜中の海は暗いし冷たいし、ちょっと心細いけど、きみがいるなら怖くないんだ。
きみは瓶の中でからから笑って、僕の胸ポケットで危ないよって言うんだ。僕も「危ないね」って笑って、それから「帰ろうか」とも言える。後ろ指を指されずに、誰にも心配されることなく堂々と歩くことができる。朝みたいに急かされることなんかないんだ。
時計だって見逃してくれるさ。だから、僕は真夜中がいい。きみがいるとよく眠れるから。
僕は真夜中が続けばいい、永遠に夜空が広がっていればいい、ってそう思うよ。
真夜中の恋人 白星うみ @shorahoshi_umi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます