第4話 あなたを好きな理由♡

 白ちゃんが大好き。


 この想いはきっと変わらない。


 いつか白ちゃんに本当に大切に思える人ができて、彼を諦めるしかなくなる日がきたとしても、その日まで私は白ちゃんのそばにいる。


 白ちゃんが好き。大好き。


 春の光があたりを薄紅色に染めた日、散りゆく桜の花びらを見つめ、ただ呆然と涙を流していた白ちゃんを目にしてから、吸い込まれるように彼から目が離せなくなった。


(泣いているのに、美しい……)


 その空間だけが、まるで別の世界のように思えた。私の中で、音が止まる。


 その時からもう、私は彼のことしか考えられなくなっていた。


 あの時、私は恋に落ちた。


 そんな表現が、きっとしっくりくる。


 白ちゃんが私を好きになってくれない理由は、自分を持っていないところなのだろう。本当はわかっている。


 だけど、止まってなんていられない。


 今の後悔を明日みらいに引きずらないために。


『負けないわよ!』


 そう意気込んで、今日もまた明日に向かって新しい一歩を踏み出す。

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