【UR林黙娘クエスト 最終章】

【UR林黙娘クエスト 最終章】


(霧がみちる)


ロッコ

んんんん・・・・?


ニーナ

ここは、花蓮のはずですよね?どうして道に迷っちゃったんでしょう?


ロッコ

おかしいよなぁ

迷うようなところはなかったと思うんだが・・・


女性の声

もし・・・・旅のお方・・・・


ニーナ

はい?


謎の美女

その手に持つのは・・・

媽祖の像ではありませんか?


ニーナ

あら、わかりましたか?

実はこの像を奉納できる場所をさがしていまして・・・・

この地なら、媽祖信仰が盛んだと聞き、

どこか廟などは無いかと思ってきたのですが・・・

どうやら道に迷ってしまいました。


謎の美女

あら、それはいけませんね。ここから街までは遠くありません。ご案内いたしましょう。


ニーナ

本当ですか?


ロッコ

いやぁ、それはありがてぇ。

こう霧が深いと、どこを歩いているやら さっぱりで・・・・


謎の美女

その代わりと言ってはなんですが、お願いがあります。


ニーナ

お願い・・・・何でしょうか?


謎の美女

皆様が手にしている媽祖像・・・・。

そちらをお譲りしてはいただけませんか?


ニーナ

像を?


謎の美女

その像は媽祖、またの名を林黙娘と申します。由来は今よりはるか昔・・・まだ明が勃興する以前、宋の時代にまでさかのぼります。

その少女は修練を積み、やがて仙人に導かれて昇天しましたが、その後も海上にて

船を守護する姿をたびたび見かけられました。

そのことから、今でも航海の守護者として航海士たちから崇められているのです。

特にこの島では深く信仰されています。

ですから、この像にも新たに廟を建て、祀ってあげなくては可哀想に思いまして・・・

いかがでしょうか?


ロッコ

いや、そりゃ逆にな願ったりかなったりだ。

まったくもって異存はありやせん。


ニーナ

むしろお願いしたいくらいです。どうぞお受け取りください。


謎の美女

ありがとうございます。


ロッコ

しっかし、この女神様の神通力はすげぇんだなあ。

像だと ぽっちゃりしてて、女神様というより 肝っ玉母ちゃんって感じですぜ。


謎の美女

まぁ・・・・。私、そんなに太って見えます?


ニーナ

え?


謎の美女

いえ、何でもありません。花蓮までの道のりでしたね?


ニーナ

は、はい。


謎の美女

ここからまっすぐ進めば、すぐに町が見えます。その間、後ろを振り向かぬように。

みれば霧に囚われてしまうでしょう・・・・


ニーナ

霧に?


ロッコ

まぁ、方向は分かったんだ。そう遠くなぇ場所に花蓮があるってなら

向かってみようじゃねぇの。


ニーナ

こうしていても、いつ霧が晴れるかどうか分かりませんからね・・・。

元居た場所に早く戻りたいですし。


謎の美女

ええ、私もこれで戻れます。


ニーナ

・・・・・・・ん? 何か言いました?


謎の美女

いえ、独り言です。


ロッコ

ははぁ、独り言の多い嬢ちゃんですなぁ。おっと、失礼。これも独り言、独り言・・・


謎の美女

ふふふ、では皆様、ご案内いたします。


(花蓮市街)


ロッコ

おお、本当に到着しましたぜ! これで一安心だ。


ニーナ

こんなに近くにあったのに、どうして気が付かなかったんでしょう?


ロッコ

まったく霧ってのは恐ろしいもんですなあ。それなりに経験を積んだあっしらの

方向感覚すら あっという間に狂わせちまうんですから。


ニーナ

助かりました、ぜひ、お礼を・・・・・

お礼・・・・・あれ・・・・・・・・・?


ロッコ

おお? あの嬢ちゃんは何処に行ったんで?


ニーナ

分かりません。私たちの後ろについてきていたのでは?


ロッコ

いや、わかんねぇよ。振り向くなって言われてたからよ、前しかみていなかったぜ。


ニーナ

そんな・・・・・あんなにお世話になったんです。せめてお礼の言葉でも・・・・


サンジェルマン

・・・・・おや、みなさん?


ニーナ

サンジェルマンさん?


ロッコ

急に表れんでくだせぇ。こんな場所で遭遇するとは思わなかった分、びっくりしやしたぜ。


サンジェルマン

それは、ご無体というものです。私もこの海域を調査していたのですから。


ニーナ

あ・・・・・

すいません、サンジェルマンさんから依頼された調査は、まだすんでいなくて・・・・・


サンジェルマン

・・・・・・・・・・・・・・・・。


ニーナ

サンジェルマンさん?


サンジェルマン

歪みが消えています。


ニーナ

え?


サンジェルマン

先ほどまで、この地で感じていた歪み・・・

それが無くなっているのです。


ニーナ

ど、どういう事ですか?


サンジェルマン

それはこちらが聞きたいくらいです。(主人公)さん、何か心当たりは・・・・・?


サンジェルマン

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・ほう、媽祖という女神像を・・・・

その後、霧の中を歩いて花蓮市街へ到着したと・・・・


・・・・私が思うに、それが原因でしょう。

ああ、さすがは(主人公)さん。私などの出る幕ではありませんでしたね。


ニーナ

・・・・・・・・・・・・・・・・・?


サンジェルマン

仙女といえども、意識的に世界を往来するには、たくさんの力・・・信仰心が必要になるのでしょう。今回で言えば、自分を祀った像・・・・ですね。


ロッコ

ちょ、なんか納得しているめてぇですが、サンジェルマンの旦那だけ心得顔たぁ不公平ですぜ。


サンジェルマン

その点は・・・・こちらの10ジュエルでご勘弁ねがいますか?


ロッコ

まあ、世の中、不公平な事なんざ腐るほどありやすからね。

わかんねぇことは、忘れちゃいましょう!


ニーナ

ちゃっかりしてますね・・・・・


サンジェルマン

・・・・(主人公)さんは、それとなく察しているようですが、あの方は元の世界に戻られたようです。

これで歪みも収まりましたが、これからも各地で同じような症状が起きる可能性は否定できません。その時はまた、よろしく頼みます。頼りにしてますよ。

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大航海時代5  幌筵陽炎嫁提督 @su-57pakfa

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