大航海時代5 

幌筵陽炎嫁提督

大航海時代5。プロローグ

【備忘録】大航海時代5。エピローグ&プロローグ


(ーーーーーーそう、これは物語。

 多くの航海者が海図もない

 未知の大海原に、ちっぽけな帆船で

 旅立った時代の物語・・・・)


(出会いと別れを繰り返しながら

 明日を夢見て冒険する・・・

 そんな航海士たちの物語ーーーー)


大航海時代・・・


多くの航海者たちが、まだ見ぬ世界を求め旅立っていった時代。

彼らの探求心は多くの真実を明らかにする一方、

同じ数だけの伝説や伝承を生み・・・

その物語に魅せられた若き航海者たちが

また大海原へと漕ぎ出していった。


ポルトガル王国の都・リスボン

ここに母と二人で暮らす若者がいた。

その父、ラモンは物心のつかぬ子の元に

コンパスと自分が作った海図を残し、

行く先も告げず、航海に出たまま消息を絶った。


この物語は、若者のただ一人の肉親だった母が

突然の病でこの世を去った後・・・。


天涯孤独の身になった若者・・・つまりあなたが、

幼馴染みの親友から不思議な石の存在について

聞かされることから始まる。


ジュピトル・フェルナンデス


「よう!まだ家に閉じこもっていたのか?

まあ無理はないけど、そうふさいでいちゃ、お前まで病気になっちまう」

「オヤジさんが生活の足しにって残していったラビスラズリだった、もう残り少ないにたいだしさ・・・。」

「ところでさ、昨日、酒場でロッコっていう船乗りの爺さんから面白い話を聞いたんだ。・・・お前、賢者の石って聞いたことあるか?」

「俺も詳しい事は分からねえんだけど、この世界には、その石がいくつもあってな。

全部集めると、すんげえことが起こるらしい。」

「もしお前が集めたらさ、行方不明のオヤジさんに会えるかもしれないぜ。

もしかしたら、おふくろさんにだって・・・。」

「な、俺と一緒にその石をあつめてみないか?そんなことが起きたら最高じゃないか!何時までも家にこもっているわけにいかねえだろ?」

「話してくれた爺さんと すっかり意気投合して、一緒に航海に出ようって約束したんだ。まずはその人に会いに行こうぜ!」

「確かこの辺の家だったはず。もしもーし、こんにちは』


ニーナ

「あら、どちらさまでしょう?」

ジュピトル

「お嬢ちゃん。船乗りの爺さんは? オレは昨日、酒場であった・・・・。」

ニーナ

「まあ、あなたがジュピトルさん?ごめんなさい。おじいちゃんはケガをして寝ねこんでいるんです。」

ジュピトル

「おっと、そりゃいったい・・・」

ニーナ

「・・・あっ、おじいちゃん!まだ歩かない方が・・・。」


ロッコ・アレムケル

「ああ、来てくださったんですかい。実はあの後、階段から落ちちまいやして・・・。

すぐの出発は無理でさぁ」

「ただ、昨日の話じゃあ、お二人とも航海は初心者だそうで。」

「どうです、まずは手始めにバレンシアあたりにまで行って戻ってきちゃあ?

 その頃には、あっしのけがも治っているかと。」

「旅の案内役として、あっしの代わりに孫のニーナをつけやしょう。」


ニーナ

「・・・私がですか?」

ロッコ

「何回か後悔したことのあるお前なら、これくらい簡単だろう?」

ジュピトル

「このお嬢ちゃんが代わりの航海士!? うーんロッコさんが推すからには腕に自信があるんだろうけど・・・」

ニーナ

「・・・・・・・」

ロッコ

「あっしの孫娘じゃあ役に立たねえとでも? おいニーナ! 絶対についていけ!

お前の実力、見せてやるんだ!」

「おう、ジュピトルさん。あっしから見れば孫娘はまだまだ未熟者だが、

さっきの言葉、必ず航海させてみせやすぜ!」


ニーナ

「・・・分かりました。急な話ですが、私もこのまま引き下がるわけにはいきません。

ジュピトルさん、よろしくお願いいたします。」

「それから、えーと あなたは・・・・」


ニーナ

「(主人公)さんも、短い間ですが、お世話になります。

それでは、さっそく旅の準備をしてきます。」


ロッコ

「おう。さすがはロッコ様の孫娘と言われるよう、全力でおふたりをサポートしろい!!」


(中略)


ニーナ

「提督、これは私の仮説なんですが、聞いていただけますか?」

「不思議な地形の海図を調べると提督のコンパスとラビスラズリが光って、

海図に示された手前で嵐に遭う。」

「これらが起こると、海図どおりの地形に変化している・・・と言うより海図に示された世界に迷い込んでいると言ったほうがいいですね。」

「コンパスとラビスラズリも形見なんですよね?

提督のお父様は地図職人だと伺いましたが、本当は何をされていた方なんでしょうか?」

「お父様のことが少しでも分かれば、この摩訶不思議な現象の謎がつかめるかもしれません。」

「提督、お父様の行方を捜してみませんか?」

「常識で考えればたどり着けないはずの内陸にも、そのコンパスの力さえあれば船で行ける・・・。船乗りにとって、まるで夢のようなお話です。」

「わたしにもお父様の消息を探るお手伝いをさせてください!もちろん、賢者の石探しも手伝います。提督、リスボンにもどってください!おじいちゃんに事情を話して、私もこの船に乗せてくれるよう、お願いしてみます!」

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