2023年 7月

7月の光の中に佇んで君はベートーベンを口ずさんで


懐かしい友達と会う ふわりと香る彼女の髪の香


この川を下っていけば君はもう自由を手にする


以前から見知ったバンドの曲がいつしか彩りに


少しだけ心を制御することによって開ける未来があって


永遠の煌めきなんてないかもねでも私達の時間は例外


二人だけの間にたしかにある友情の目を覆いたくなる光


恋心なんて私にはないと思ってた 昨日までの窓



この世界は愛するにたるところ そういう合言葉で生きていくの


あたたかい世界の中に浮かんでいる一隻のボート


自分を助けると決めたから それからはいいことしか摂取してないの


泣きじゃくる妹を包む愛の、おおきくて雫みたいなところ


ただ優しくて柔らかいところに行きたいの そこがサマーランドだよ、みんな


規則正しい勉強できなくて 目の前の喜びにゆだねていたい


夏の国の空に舞う虹は恩寵というその別名を


きりきりと銀色の重りを突き刺して おやすみなさい、よい夢を



桃色の私達のすぐ傍にいる黒い蜂に注意して


死神の腕時計は骨色で全ての人の余命が分かる


嫌がらせしてきたあの子の心臓が一ミリ乱れて打つように祈る


自転車を押しながら思う黒々とした悪しき想念の目


自棄的な男の傍にいるバディその猫目の黄色く光る


戦争の音が聞こえてくるだろう?呪われた町に雨が降っている


百合畑 黒衣の男が触れている花はみるみる萎んでいって


嫌なことさえもシンクロ働いて嫌な運命から逃れたいのに



愛のある人だけが入ることができる果樹園に私は行くの

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