幸福の　モノリス一体　隣には　雀が一匹　眠っているなり

赤い糸　逆探知して　辿った先　嘘だありえない　金次郎とだなんて

蝿音と　ラジオのささやき　遠くから　「ただいまヴー時をお知らせしまヴー」

文庫本　包むボルドーレッドの革　つややかな光　指をいろどり

若葉凪ぐ　ふざけて胸を小突かれて　飛のく　鼓動、脈、血潮

ほおずきよ　揺れろよ揺れろ　終末の　裸電球の　命尽きても

少年と　少女は出会う　お互いの　胸の柘榴を　つつきあいっこして

いったいな　なんだよそんなに　むくれちまって　人食ったような　唇しやがって

夕焼けの　国に住みたいなと少女　なら僕と　永遠に西に走ってゆきませんか

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