フカずきんちゃん

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フカずきんちゃんとばかり呼ばれるように

 むかし、むかし。あるところに、かわいい女の子がありました。


 それは誰だって、ちょいと見ただけで、子でしたが、でも、誰よりもかれよりも、この子のおばあさんほど、この子をかわいがっている者はなく、この子を見ると、なにもかもやりたくてやりたくて、いったい何をやっていいのか、わからなくなるくらいでした。


 それで、あるとき、おばあさんは、あお(毛足の長い織物おりもの。空を飛ばないものだけを指す)で、この子にフード付きのサメパーカーをこしらえてやりました。


 すると、それがまたこの子によく似合うので、もうほかのものは、何もかぶらないと、キメてしまいました。そこで、この子は、ちゃん、フカずきんちゃん、とばかり、呼ばれるようになりました。

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