降りしきる軟骨をスカートで受けとめた

松 竹梅

降りしきる軟骨をスカートで受けとめた

「まあ!ナンコツ!」

そう言って、わたしは降りしきる軟骨をスカートで受けとめた。


 足の裏がくすぐったい。

ここらで座って食べてみましょうか、とわたしは庭で腰をおろす。


ぽり、ぽり、ぽり、


 私は昔から、鶏の軟骨唐揚げが大の好物です。

よくもまあこんなにも素晴らしく、ちっぽけな骨があることでしょう。

いじらしくて奥歯でクンと嚙み潰してやりました。


 目の前のスイセンは、花がすべて切り落とされていて大変においしそうなニラのようです。

スカートについた塩胡椒と、油のしみをパパパと払って勢いよく立ち上がる。

まだお昼には時間があるのに、こまった私のお腹が私を乗っ取ろうとします。

 そう慌てなさんな。

さあて、お散歩にいきましょう。


 おしりをぽんぽんしましたら、いよいよベッドの上の御本を抱いて外に出ます。

いい天気、うっとり。

なんたってナンコツが降りましたから!


 とんととん、とんととん、スキップなんぞしてしまったり。

足先に転がった軟骨が幾度となくふれる。

跳ねて、転がる。


 いよいよだわ。

この胸の中いっぱいにナンコツが広がって、私の体になっていく。

あんなにちっぽけなナンコツが。



 ベンチに腰掛け、スカートの上に御本を置いた。

頁、41。

目をつむって、満ち満ちと息をすった。

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降りしきる軟骨をスカートで受けとめた 松 竹梅 @matu-takeume

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