切なく感じる短編恋愛
リクルート
君は、私を置いて、大人になっていくんだね
大学時代、好きでもない人と体の関係になった
その人は私の好みの顔でもないし、気が合うわけでもない
ただ寂しさを埋め合う関係、セフレってやつだ
これまでちゃんと彼氏を作って、愛を交換し合うような関係しか経験がなかったから、最初は罪悪感を感じていた
だけど、そんな背徳感も、かえって気持ちよくなるほど、私は悪い女になってしまった
でも最近、彼に告白されてしまった
「好き」 この言葉は誰がきいてもうれしいと思うのかもしれないが、私には嫌な言葉だった
「私たち、ずっと一緒にいたいから、付きあえない」
そう言って私は彼を抱きしめた
彼は私が抱きついてから数秒、固まっていたけれど、抱き返してくれた
そのあと彼は「そうだよね」 と、震えた声で言っていた
そのあとも何度か体の関係があった
そんな彼との関係は、就職活動の忙しさなどで気づいたら全く合わなくなっていた
大学を卒業して4年経った今、ポストに彼の結婚式の招待状が届いていた
私はいろいろ考えて、「欠席」に〇をつけて、メッセージ欄にこう書いた
「君は、私を置いて、大人になっていくんだね」
そして私は、また好みでもない男とのラインに満足する
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます