異世界転生して不老不死になったからって人生楽勝とか思ってんじゃねーよ!!
@Warrior
プロローグ
月曜日の朝。
窓から差し込む朝日は、浴びる人に今日一日のエネルギーを与えてくれる気持ちの良い光だ。
しかし、社会人や学生にとってはこの朝日は苦痛でしかない。
鳴るアラーム。
「………」
アラームに好きな曲をセットするとその曲が嫌いになると言われたことがある。
効果てきめんである。
俺は橘勇樹。
毎週毎週懲りずにやってくる憎き月曜日に唸る高校二年生だ。
「アンタもう起きたの?早く着替えなさい!」
一階から母の声が聞こえる。フライパンで何かを焼く音も聞こえる。
「………」
喋るのも億劫だ。
別にいじめられてたり、何か学校に行けない特別な理由があるわけでもないが、どんな学生や社会人でも月曜日という存在には必ず悩まされることだろう。
そんなこんなで準備を済ませ、家を出た俺。
月曜日が嫌いなのって、多分俺が通ってる学校の月曜日の時間割が特別ダルいのもあるんだよな。何なんだアレ。五教科全部あるし。
そして青信号の音が鳴る。
未だに頭がボーッとする。横断歩道を渡ろうとすると横から何やら音がする。
音がだんだん大きくなっていく。
「え?」
ガシャアアンッ
月曜日の朝。
窓から差し込む朝日は、浴びる人に今日一日のエネルギーを与えてくれる気持ちの良い光だ。
しかし、社会人や学生にとってはこの朝日は苦痛でしかない。
じゃねーよ。
今さっき何が起こった?
ガシャアアンッ?
横から来た音は何?あれトラックか?
って事はなにか、要するに俺は────。
「死んだ?」
未だに状況が理解できない。青信号だったよな?俺が信号無視したとかじゃないよな?トラックの運転手が寝ぼけてただけだよな?
色んなことが頭の中を駆け巡ったがやはり死んだという事実が一番心に突き刺さる。
夢じゃない。
「嘘だろオイ……」
そしてさっきからずっおもう一つ気になる事がある。
「ここ、どこ?」
見渡す限りの草原。その上に俺は座り込んでいた。俺は死んだはずでは?
天国、というわけでもなさそうな感じがする。あくまで“感じ”だが。
「とりあえず、何か無いか探してみよう」
そう思い、立ち上がろうとしたら、
ズコッ
「え?あ?」
ずっこけた。
あれ?何で俺ずっこけた?
というか何やら体が変だ。何も感じない。
「体の感覚が…ない?」
立とうとしても立つ感覚がないのでまたずっこける。例えるなら足が痺れすぎて感覚がなくなる感じだった。
痛覚がない。
全身不随とかそんな感じではなさそうだが、なぜ感覚がなくなっているのか不思議でならなかった。
頬をつねってみても何も痛みを感じない。ただ、他の感覚はあるみたいだ。視覚、嗅覚、聴覚。味覚はまだわからないが、あったとしてと痛覚がないのでまともに食えない。
「ウッ……」
とりあえずなんとか体を起こす。するとなんとか遠くの景色まで見える。
大きい壁のようなものが遠くに見えた。
「………壁?」
いやいやいや。そんなもん日本にないから。ファンタジー世界かよここは。
いや待てよ。
俺は死んで、なぜかここにいる。そして向こうにはファンタジーな世界に出てきそう馬鹿でかい壁。
まさかこれは異世界転生、というやつなんじゃないか?
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