2012年4月7日(土)

2012年4月7日(土)


暇ではない。

決して暇ではないのだが、つい車を走らせてしまう。

気分転換も理由のひとつだし、うにゅほがおでかけを楽しみにしていることも、大きい。

しかし、今日はちゃんとした目的があるのだった。

柄杓でガソリンを撒くような、不毛な行動では決してないのである。

要約すると、プリンタのインクが切れたのだ。

ヤマダ電機の店内をうろつき、インクコーナーを探す。

意味もなく冷蔵庫売り場に寄り、「でかい!」と「高い!」だけで会話を成立させたりもする。

それにしても、純正のインクは割高だ。

ふたつで五千円もする。

隣を見ると、半額以下の社外品があった。

でもなあ。

もしインクを詰まらせてしまったら、喪黒福造みたいなキヤノンの社員が、

「非↑純正インクを使ってしまったんですねオーッホッホ、ドーン!」

という経緯の後、インクカートリッジのなかで一生墨をすり続けることにもなりかねない。

樋口一葉に別れを告げることにした。

ヤマダ電機を出て、近所の百円ショップへ寄った。

小腹が空いたので、二人分の飲み物と、ナッツの詰め合わせと、ビーフジャーキーを購入した。

車内でビーフジャーキーを口に入れたうにゅほが一言、

「……かたい」

そういうものだから仕方ない。

「あんまり味しないよ」

噛んだら、だんだん旨みが出てくるから。

しばらく後、美味しいか尋ねると、

「ふつう」

との答えが返ってきた。

それでもけっこう食べていたので、気に入らないわけでもないらしい。

最終的にあごが疲れたらしく、付け根のあたりを必死に撫でていた。

俺も、隣で同じことをしていた。

二人だから二袋と思ったのだが、買いすぎたようである。

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